ろりすかシリーズvol.3

「Melty Cream」


美坂 栞(「Kanon」より)

15歳 高校1年生
身長157cm 3サイズ79-53-80

髪は茶色のショートカット。ストールを常に羽織っている。
病気で学校を休んでいるのに、いつも昼休みに中庭に現れる不思議な少女。
本人曰く病名は「流行性感冒」。
アイスが大好物、というより主食。雪の舞う寒い日でも欠かさない。


 そう、あれはそんな、雪の舞う寒い日のことだった。
 昼休みになると、決まって中庭に現れる少女。ここの生徒ではあるが、授業には出てない。そのくせ毎日中庭に通い詰める、不思議な女の子。その娘と昼休みに会って話すことは、もはや毎日の日課になっていた。
「さて、今日も相手してやるとするか」
 俺は、中庭へと通じる重たい鉄の扉を開け――。
 ……すぐに閉めた。
 近づく足音。分厚い扉の向こうで、とても聞こえないはずだが、俺にはその姿、その表情までありありと想像できた。
「――!!」
 ドンドンと扉が叩かれる。ノックなどと言う勢いじゃない。
「……仕方ないな」
 扉をそっと開け、外が見えるだけの隙間を作る。 
 その瞬間、激しい口調の、しかし可愛らしい声が飛び込んできた。

「どうして閉めるんですか〜!!」
「……寒い」
「外で待ってた私の立場はどうなるんですかっ!」
「おまえは人間じゃない」
「……そんなこと言う人、嫌いです」

 ……一瞬の沈黙。
「やはりこれを聞かないと一日が始まった気がしないな」
「ど、どうしてそうなるんですか…それに、もうお昼ですよっ」
「大丈夫だ。午前中の授業は全部寝てた」
「よけいダメじゃないですか……」
「まあいいさ。それより昼飯にしようぜ。今日は特別増量キャンペーンだ」
 そう言って買ってきたアイスを見せる。いつもは2つなのに、今日は4つだ。
「量が2倍になるのは増量と言わない気がします……」
「いらないんなら、俺が食っちまうぞ」
「あ、食べます食べますっ」
 そう言って俺の手からアイスをかっさらう。
「いただきまーす」
 パカッとふたを開け、固まった白いアイスに木製のスプーンを突き立て、ガリガリと削るように食べていく。
「美味しいですー」
「……しかし、ホントこんな寒い中よく食えるな」
「えー、アイスは冬が旬なんですよ」
 それは初耳だ。
 っていうか、アイスに旬なんてあるのか。
 …って、これも前に聞いた気がする。別のツッコミを入れてみよう。
「こんな時季に食って、腹壊したりしないのか?」
「大丈夫です。大好物を食べてお腹こわしてたら大変じゃないですか」
「それはそうだが」
 何か根本的なところで間違っている気がする。
 が、結局俺は栞を論破できず……今日も、降りしきる雪の中アイスを美味しそうに食べる少女……という異様な光景を見つづけることとなった。

 食後。当然ながらやることはないので、また他愛もないおしゃべりを続けるわけだ。
「……なあ、本当に腹壊したりしないのか?」
 俺はもう一度訊いてみた。
「だ、大丈夫ですって。何で二度も訊くんですかっ」
「いや、なんか栞の腹から変な音が聞こえるからさ」
「え……?」
  ギュルルルルルルルッ……
  ゴロゴロゴロゴロッ……
 他に誰もいない中庭だから、その音はよく聞こえた。当然、本人にも聞こえているはずだ。
「な、何のことですか? 変な音なんて聞こえませんよ」
 すました顔で言ってのける栞。でも、言葉に詰まるその姿からは表情ほどの余裕は感じられない。
「いや、ギュルギュルって……」
「そ、空耳じゃないですか?」
 そう言う栞の顔はどこか引きつっている。
「そっか、違うならいいんだけど……」

「うぅ……」
  ギュルギュルギュルッ!!
 栞は顔を苦痛に歪ませ、お腹を押さえている。……もうどんな状態かは一目瞭然だ。
  ゴロロロロロロロ……
「あぁ……ど、どうしよう……」
 俺に聞こえないように小声でつぶやく。視線は遠くの校舎のあたりをさまよっている。
「……トイレなら、そこの扉入って左の突き当たりだけど」
 俺がそう言った瞬間、栞は顔を真っ赤にした。
「い、いえ、別にそういうわけじゃ……」
 ……恥ずかしがる表情がかわいい。俺はもう一声追い討ちをかけることにした。
「……あんまり我慢しない方がいいと思うぞ」
「そ、そんなわけじゃありませんっ!!」
 語気を強める栞。だが、思わず腰を浮かせた彼女を新たな苦痛が襲う。
  ギュルッ……グギュルルルルルッ!!
「あ……あぁ………」
「だから、無理するなって」
「で、でも、私服で校舎に入っちゃいけないと思います」
 まだ意地を張る栞。
「それを言ったら校庭にいるのもまずいんじゃないのか?」
「あ……で、でも…………うくっ……」
 またお腹を押さえて前かがみ。切なげな息遣いがまたたまらない。
「す、すみません祐一さん、わたし、今日はその、これで……」
「昼休みはまだ半分くらいだが」
「そ、その、ちょっと急用を思い出して……」
「病院ではやることなくてヒマだとか言ってなかったか?」
「え……えーと……んっ!!」
 栞が体をビクビクと震わせる。お腹を押さえていた手が、お尻に回される。
  グルルルルルルッ……ギュルッ……
 猛烈なお腹の音。
  プシュッ!!
「んくっ……だめ……」
 わずかにもれた空気の音が、栞の恥ずかしさを助長する。
「く……ぅ……ふっ……はぁ……」
 幸い、臭いもほとんど感じられなかった。息を整えるその顔には、わずかな安堵が浮かんでいる。
「……大丈夫か?」
「は、はい、なんとか……と、とにかく、今日はこれで失礼しますっ!!」
 そう言って、栞は立ち上がり、校門へ向かって駆け出した。

 ……が。
「うぅ……あぁぁぁっ、だめっ……」
 数歩走ったところで、お腹とお尻を押さえてしゃがみこんでしまう。
「ど、どうしよう……」
「……歩けるか?」
「え…………だ、ダメかもしれないです……」
 ……さっきまであれほど強がっていた栞が、この言葉だ。本当に限界なのだろう。
 恥ずかしがるのがかわいくてからかってはいたが、本当におもらししてしまったら可哀想だ。それもまた見てみたくはあるが……。
「どうする? おぶって連れてってやろうか?」
「え……だ、ダメです、そんな……」
「いや、だって歩けないんだろ……?」
「で、でも……もしその途中で……あうぅ……」
「ほら、やっぱり……」
「い、いいです、私、歩きます……」
 そう言って、体を起こして中腰になる。……と同時に。
「あ、あぁっ!?」
 体をくねらせてお尻を全力で押さえる。動いた反動でものすごい便意が襲ってきたのだろう。
  ギュルルルルルルルゥッ!!
「ひっ……」
  ゴロロロロロロロッ!!
「だ……だめ……」
  グルルルルルルルルルルルッ!!
「で……でちゃ……う……」
 絶望の言葉が口から出るとほぼ同時だった。

  ブジュゥッ!!
 さっきのおならとは明らかに違う、水気混じりの汚らしい音。おもらしの破裂音が、栞のお尻から響いた。
「あ……あぁ……」
「し、栞……大丈夫か?」
「だ、だめ……まだ……」
  ブビュビュッ!! ビチュッ!!
 スカートに隠れて見えはしないが、絶え間なく漏れる音が、栞の恥ずかしい排泄の様子を俺に伝えてくれる。
「うぅ……んっ……」
 苦しげな表情。今もまだ、お腹の激痛とお尻の圧迫感に耐えているのだろう。
「……栞、脱いでしちゃえよ」
「で、でも……」
「どうせ他には誰もいないし。俺なら、気にしなくていいから」
「そんな……恥ずかしいです……」
「しかしな……」
「あぁ……んぅーっ!!」
  ブビビビビビッ!!
 またショーツの中に漏らしてしまう。
「このままじゃ全部漏らしちゃうだろ……いいから、ほら」
「うぅ……ごめんなさい……」
 栞はついに観念したのか、スカートを捲り上げ、中のショーツに手をかける。
  スルッ……
 ショーツがお尻からずらされ、その下の肌が露わになった。
 真っ白な肌。そのお尻の中心部を醜く塗りつぶす、お漏らししてしまった茶色の下痢便。
 わずかにのぞくショーツの生地にも、それはべったりと張り付いていた。
「んっ!!」
 そのお尻の汚れの中央から、新たな茶色の液体が溢れ出す。
  ブシュシュシューッ!!
 完全に水のような下痢便は、お尻の穴から地面まで一直線の滝を作った。
  ブブブブッ!! ブジュプゥーッ!!
  ビチビチビチッ!! ブピブビュルビィッ!!
  ブジュルビビュッ! ブピュルビチチチチッ!!
 時おり空気が混ざりながら、栞の下痢便噴射は十数秒にも及んだ。足元の雪の上には、あっという間に茶色の海ができていた。
「ううっ……ご……ごめんなさい……」
 栞が涙目で謝る。地面にぶちまけられた下痢便から立ち上る湯気。それは同時に、あたりにものすごい臭いを撒き散らしていた。
「気にするなって」
「うぅ……ぐすっ……」
 真っ赤な顔で涙を流す栞。しかし、どれだけ涙を流しても、お尻はまるで別の生き物のように汚水を吐き出しつづける。
  ブビュルルルッ!! ブボブビビビビッ!!
  ブチュビシャビチャァッ!! ブジュビィィィッ!!
  ブリブリブリィッ!! ビジュッ!!
  ビチャブブブブブッ!! ビチチチチチチチッ!!

 
 結局、排泄が収まったのは数分の後……足元に肩幅以上の茶色の水たまりを作りあげてからだった。

「ごめんなさい……わたし……」
「いいって。からかったりした俺も悪いんだから」

 ……そう言ってお互いに謝り合い、この日のことは水に流すことにした。
 だが、真っ赤な顔で苦しげにいきむ栞の排泄姿は、しばらく忘れられそうにもなかった。


あとがき

 まあ、使い古されたネタだと思いますが、冬場にアイス食ってりゃそれは腹壊すだろうという当然の妄想です。
 栞はKey作品の中では一番好きですね。胸が数値どおり小さいとなお良かったのですが。


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