下痢っ子悠里ちゃん3
「悠里のライバル」
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秋元 悠里(あきもと ゆうり)
10歳 教育大付属小学校4年
身長:130cm 体重:25kg
比較的おとなしめな少女。
小学1年生の時から胃腸が弱くなり、頻繁にお腹を下すようになる。
その体質から劣等感を感じて心を開ける友人がなかなかいない。
勉強は結構できる方で、エリート小学校の中でも中の上クラスの成績。
…しかし、長いテスト時間となると下痢で集中できない事も多く、成績にばらつきがある。
森川 あずさ(もりかわ あずさ)
10歳 教育大付属小学校4年
身長:128cm 体重:25kg
悠里に負けないくらい大人しい少女。
黒髪おかっぱに色白で小柄。
あずさも悠里と同じく胃腸が弱く、トイレに入る回数は極めて多い。
お腹を壊す頻度は悠里ほど多くはないが、我慢する力がほぼ皆無。
便意に襲われてしまった際は、ほとんどお漏らしに至ってしまう。
いつも代えの下着だけでなく、スカートまで持ち歩いている。
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「くぅぅ…」
下校の途中、悠里はお腹を下していた。
もう何度目になるだろうか。
常人としては尋常ではない回数だが、悠里にとっては既に生活の一部となりつつあった。
しかし何度味わっても、決して慣れることのない辛いものでもあった。
(…この感じじゃ、駅までもちそうにない…)
悠里はこの下痢の感覚を何度も味わっているだけに、どれくらいの時間を我慢できるのか大体予想できるようになっていた。
下腹部が重い感じ…
やや水っぽいものが、ドロッと悠里の下腹部をゆっくりと徘徊する。
固形ではない「それ」の感覚は、どんな感じか大体予想がついた。
悠里は少し早足になる。
あまり下腹部に刺激を与えないように、上下の揺れの少ない歩行でゆっくり…でも心持ち早く歩いた。
駅に辿り着くまでの中継地点…お腹の弱い悠里は、自宅から学校を結ぶ通学路に自分なりの中継地点を設けていた。
中継地点…それはトイレ。
和式か、洋式か。
落ち着いて用を足せる場所なのか、そうでないのか。
紙は非常用として持参しているため、備え付けられていなくても大丈夫である。
頭の回転がやや早い悠里は、今の自分の状態からすぐさま用を足す場所を歩きながら考えだした。
(駅のトイレ…)
ちょっと遠いのと、通学時でお漏らしに至ったあの日を考えると、混んでいる可能性がある。
まあ小学生の下校時間は少し早いため、可能性は低いが今の悠里にはとても間に合う自信はなかった。
悠里はさらに考えをめぐらせる。
(一番駅に近くて、綺麗な駅最寄りのコンビニのトイレまでは…)
額に汗が滲む。
(…だめ。とても持ちそうにないよ…。それなら少し手前の公園トイレは…)
次々と考え出す。
(…あそこなら…2つあるし距離的にも大丈夫かも…)
悠里の目に決意の色が見え「その方向」へと歩き出す。
左手をお腹に軽く添えて、右手の拳を握り締める。
まだ限界までは時間がある。
これならきっと間に合うだろうと悠里は考えた。
悠里が選んだ公園のトイレ。
学校から駅までの間にある、比較的大きな公園である。
「上池」と「下池」の二つの池からなる、景色の綺麗な公園だ。
方向的には悠里の通う学校と駅の間を通る事はないが、ちょっと立ち寄る形になる。
「下池」のランニングコースの最南端に、そのトイレはある。
悠里が勝手に自分の拠点(?)としているそのトイレは、男女別れており二つの和式トイレがある。
比較的綺麗な公衆便所で、少し小高い丘の上…とは言ってもそれほど標高(?)の高くない位置にある。
目立つ場所にあるのだが、小さくてあまり利用されていないようだ。
希望の光が差すその小高い丘に向けて悠里は歩き出す。
悠里の小さな体の後ろで揺れる綺麗なランドセル。
小さくて細い足が、希望を見つけ軽やかに弾む。
悠里は公園の門をくぐって「拠点」へと向かう。
ギュルルルゥゥゥ…
腸内の激痛が轟音とともに容赦なく襲い掛かる。
ビクリと体を震わせ、悠里の歩くペースが落ちる。
同時に直腸へ水っぽい下痢が降りてくる。
(…うぅ…でも大丈夫、大丈夫だよ…)
悠里の計算では「拠点」まで十分に間に合うと予想している。
そのため、下痢の症状が酷くても、悠里に焦りの色は見られない。
公園の土を一歩一歩踏みしめながら「拠点」へと向かう…。
(後少し…)
小学生の下校時間だけに、子連れの母や老人が多く見られる。
二人の少女がお腹を抑えて苦しそうにしているのを、気の毒な目で見ながら…
二人…!?
「拠点」に向かう悠里を、わずかに悠里より早い足取りで一人の少女が追い抜いた。
(…え?…あっ…)
その少女はちらりと悠里を見ると、すぐさま悠里の「拠点」に向かった。
同じ制服を着たその少女も、悠里と同じくお腹をおさえて催しているのがわかった。
黒髪おかっぱ頭の小柄な少女。
悠里はその姿を見たのは初めてではない。
便意に苦しみながらも悠里は一人の名前を思い出した。
(…森川…さん!?)
その少女は「森川あずさ」。
あまり話したことはないが、悠里のクラスメイトである。
悠里とは別の仲良しグループで、教室で遊んでいるのを知っている。
悠里は自分の体質を気にしてか、クラスにはあまり仲の良い友人はおらず、一人で本を読んでいることが多い。
そのため「森川あずさ」とは、それほど仲がいいわけではない。
…ただ、毎日持ってくる大きな鞄には何が入っているのか気になっていた。
そんなことを思い出している間にも、あずさは二歩三歩と先へ進んでいく。
このままでは、同じ――きっと同じに違いない――目的地に先にたどり着かれてしまう。
少し遅れて悠里も「拠点」に辿り着いた。
そこで悠里は絶句してしまう。
二つある和式トイレのうち、一つが「使用不可」となっていた。
(…うそっ!?)
完全に間に合った気でいた悠里は、思わぬ予想外の展開に焦りだす。
パニックになった悠里は、まだ入ったばかりだとわかっていても、あずさが入ったもう一つの扉をノックした。
コンコン…
ごそごそとしていた物音が止まり、少し間をおいてから
コンコンッ!
「わかってるよ!」とでも言いたげな、はっきりとしたノックが返ってくる。
だめなのはわかっている。
だけど、悠里も切羽詰った状態…もう限界に近いのだ。
少しでも意思表示しなければ…いや、しておけば、あずさは気を遣って早く出てくれるかも知れない!
しかし、このまま限界を迎えてしまったら…。
小さく細い悠里の足が、切羽詰ってその場で足踏みを始める。
手はお尻を押さえている。
(どうしよう…どうしたらいいんだろう…!)
追い詰められた状態で、ふと冷静になる悠里。
ここは少し他の方法を考えてみる。
(ここを出て、駅前のコンビニまで我慢しようかな…)
…それはあまりにも無謀すぎた。悠里の今の状態を考えればすぐに答えが出る。
(森川さんが用を足すまで待てるかな…)
…どうだろうか。あの少し見えた表情からあずさもかなり切羽詰った状態だろうし、簡単には終わらないだろう。
いつまで待たされるか想像もできない。
こんなところで果てたくない。
(男子トイレを使っちゃおうか…)
…外は比較的人通りも多く小高い丘で見晴らしが良いため、少女が男子トイレに入るのを目撃されたら…
しかも運が悪ければクラスメイトに目撃されてしまう可能性だってある。
そして男子トイレは比較的利用頻度が高いため、もし見られてしまったらという恥ずかしさもある。
(草むらで用を足しちゃおうか…)
…男子トイレを利用するのと同じ理由で却下される。
ただでさえ悠里を隠すだけの茂みが無いというのに、人通りも結構あるため危険極まりない。
増してや、今直腸まで迫っているのは「下痢便」である。
液状の便が勢い良く排泄されるのは予想できるため、靴や衣服に被害が及ぶことも予想される。
…まさに八方塞がりな状態に置かれ、悠里の目頭が熱くなる。
そのとき、悠里は考えるより早く行動に出た。
「使用不可」となっているトイレを無理矢理使用するのはどうか?
悠里は素早く隣の「使用不可」と書かれた扉を開けようとした。
(ひょっとして、水が流れないだけだったら、用を足すことくらいはできるかも知れない…)
もう限界を迎えようとしている悠里には、その後の後始末の事は考える余裕はなかった。
とにかく今を凌がなければどうしようもない!
ガチャガチャ…
悠里は扉を開けようとするが、扉は開く様子がない。
普段ならおとなしい性格の悠里はここで諦めてしまうのだが、今は…違う。
「何を犠牲にしても助かりたい」という自己中心的な悠里が目を覚ましていた。
(お漏らしだけは絶対したくない!)
あずさが入っている個室にまで響かんばかりの暴れっぷり。
悠里は激しくガチャガチャと扉ごと壁を揺する。
(開いて!お願い!!)
その時、あずさが入っている隣の部屋に異変が…。
ビチビチビチ…
やや篭った排泄音がして、じきに強烈に鼻を衝く悪臭へと変わった。
あずさの排泄が始まったのだ。
今から排泄が始まり後始末をしたとした時間を計算しても、とても我慢できる時間ではないと予想し、悠里の行動はさらに過激化する。
扉は押し戸。
はしたないのをわかりながら、悠里は膝も使い出す。
追い詰められた少女の意地の現れであった。
ガゴンッ!!
そんな意地に応えてくれたのか、扉は激しく開き、悠里を中へと招き入れた。
中に踏み入れた足が、気持ち悪い感触に襲われた。
何かドロッとしたものを踏みつけた感触だ。
焦りの中で冷静に状況を確かめる悠里。
その目の前に広がる光景は、悠里をさらに絶望の中へと陥れた。
(そ…そんな…)
ただ水道が壊れているだけではなかった。
タイルは壊れ、便器はひび割れて、何日前かに排泄された他人の便が撒き散らされていた。
数日経った後なのか、こびりついた便からの悪臭は少なかったが、足の踏み場も無いこの状態は、とても用を足せる状態ではない。
悠里が踏みつけた気持ち悪い物体は、この「他人の便」だったようだ。
この個室内で誰かが暴れたのだろうか?
便器が割れてしまうなんて、相当酷い状況だったと思われる。
とにかく…とても使える状態ではなかった。
「…い…いやぁぁ!」
声にならない小さな悲鳴を上げる悠里。
いくら切羽詰っている悠里でも、これではとても用を足すことなんてできない。
すぐさまあずさが入っている扉の前に戻り、もう一度ノックする。
ドンドンッ!!
悠里の緊急事態を物語るかのような、乱暴なノック。
しばらくしても返事が無い。
よく耳を澄ますと、少女のすすり泣く声が聞こえる。
その泣き声の主は、誰のものでもない、中にいる「あずさ」のものであるとすぐにわかった。
正直、泣きたいのは悠里も同じである。
この様子では出てくれそうに無いだろう。
中で何があったのか心配だが、今の悠里にはその余裕はなかった。
ふと目を後ろにやると「掃除用具」と書かれた小さな扉があった。
我慢の限界を迎えようとしていた悠里は、虚ろな目でふらふらとその扉の前に行く。
あれこれ考えている暇はなかった。
がちゃりと「掃除用具」の扉を開けた悠里。
中は人が入ることなんてできないくらい、道具が敷き詰められていた。
追い詰められた悠里はこの中で用を足そうと思ったが、その希望も閉ざされてしまった。
(もうだめ…)
お尻を押さえていた手の力が緩む。
もうお漏らしする他、手段が無い…というかお漏らしは悠里にとって「負け」を意識させる行為なので、これは手段ではなかった。
「諦め」である。
(でも、これで…お腹の激痛から解放される…)
ゆっくりと肛門の力を抜こうとしたその時、悠里の目に一つの道具が目に入る。
(あ…これって…)
悠里は認めようとしていた「負け」を撤回し、その「道具」を手にしてすぐさま巻き返し(?)を図った。
用具入れの中は道具で敷き詰められて、とても入ることはできない。
このままでは悠里を隠すものがない。
誰かがトイレに入ってきたら悠里の「巻き返しの行動」が丸見えである。
しかし周りの状況なんて気にしてられない。
大急ぎでスカートをまくりあげてパンツを下ろし、その「道具」の上にしゃがみこむ。
その「道具」とは…ポリバケツだった。
なるだけ内股にして小便と大便が中に入るようにしてバケツで局部を覆う。
傍から見れば情けない姿だが、この際背に腹は代えられない。