ろりすかコレクション vol.10

  「一人だけの戦争」


カガリ=ユラ=アスハ(「機動戦士ガンダムSEED」より)
 16歳 オーブ連合首長国代表息女
体型(推定) 身長:151cm 体重:39kg 3サイズ:77-51-76



 ……私は、何をやっているんだ、こんなところで……。

 ここは名前も知らない無人島。
 私はザフト軍に対抗するゲリラとして地球軍に協力するカガリ。フルネームは今は関係ない。一兵士のカガリだ。
 所属する戦艦アークエンジェルから、戦闘機スカイグラスパーで出撃して撃墜された。
 機体は制御を失い、同様に損傷を与えた敵機とともに無人島に不時着。
 そのパイロットであるザフト兵と遭遇し、銃およびナイフで白兵戦の結果、敗北し捕虜となる。

 殺されてもおかしくないはずだった。
 そうでなくても、せめて両手を縛っておくくらいはして当然のはずだ。

 それが、なぜ……。

「食べないのか?」
「………………」
「毒なんか入ってやしないから」
「…………」
 目の前の男が、携帯食を差し出して私に勧める。
 私を捕らえたザフト兵だ。雨を避け、岩肌の洞窟に火をおこして、夜を明かす準備をしている。
 そして私は……雨に濡れた服を脱いだまま、それだけの姿でただ座っている。
 なんで、敵のはずのこいつと、こんなところで……。
「…………嫌ならいいけどさ」
「……なぜ」
「……?」
「なぜ、私に情けをかける!?」
「……だって、おまえは地球軍じゃないんだろう? 敵じゃないんだったら、殺す必要なんてないさ」
「いつその銃を奪って、お前を殺そうとするかもしれないんだぞ!」
「そんな真似をさせないくらいの訓練はしているつもりだ」
 涼しい顔で言ってのける。
 ……でも、目は本気だ。どうしても気圧されてしまう。
「…………あ、後で後悔しても知らないからなっ!!」
「わかってるさ。ほら、早く食べろよ」
「…………わかったよ。感謝なんかしないからな!」
 そう吐き捨てて、食べ物を口にする。
 お世辞にも美味いとは言えない軍用食。
 だけど、半日以上飲まず食わずの身体には、それでも満ち足りた満足感を与えてくれた。


  ピシャーン!! ゴロゴロゴロゴロ……。
 外では、激しい雷の音、そして絶え間なく続く土砂降りの雨の音が鳴り響いている。
「……止まないな」
「ああ。しばらくは、ここから出られそうにないな」
「…………」
 まただ……。また、私から声をかけてしまった。
 敵に話すことなんかないはずなのに……。

 パチパチ……。
 二人の中央に置かれた湿りかけた焚き木がはぜる音。
  ザァァァァァァァァ……。
 雨が岩肌を、地面を打ちつける音。
  ゴロロロロ………ドォォォン!!
 すぐ近くで雷光が炸裂する音。

 そんな音の三重奏と細切れの会話の中、出あったばかりの敵の前でただ時間を過ごす。
 ……気の遠くなるような時間だった。


  ゴロッ……。
「え……」
 変化は、私の身体の中から起こった。
 洞窟の外ではなく、私のおなかの底から響いてくる遠雷……。
 まさか……。
 そう思うより早く、恐れていた感覚が身体の中から巻き起こってきた。
  ギュルルルルルルルッ!!
「っ!!」
 これまで経験したことのないような、激しい腹痛だった。
 思わず両手でおなかを抱え込むが、これっぽっちも楽にならない。
 それどころか、一秒また一秒と、その痛みは加速していく……。
「どうした?」
「……な、なんでもない……」
 目の前の男が、私が上げたかすかな声に反応する。
 私とおまえは何も関係ない人間なんだ。気にしないでくれ……。そう言いたかった。
 でも、その言葉がどうしても出て来なかった。
 命を助けてもらったこと、そして、なにより初対面の私にここまで無防備な姿を。
 一体、私のことを何だと思っているのだろう……。
 私は……こいつのことを……。

  ギュルルルルゴロロロロロロッ!!
「ひぐっ……」
 あまりの激痛に、思考が中断させられる。腸の奥を引きちぎられるような痛み。
  グルルルルルル……。
 しかも、それだけじゃなくて……今度は……。
 ト、トイレに行きたくなって……おしりに熱いものが……。
 どうしよう……洞窟の中じゃできないし、ましてやこの男の前でなんて……。
 かといって外に出ようにも、この土砂降りじゃ……。
 せ、せめて……少し止んでくるまで我慢しなきゃ……。


  グルルルルル……ゴロゴロゴロッ!!
「く、うぅっ、あぁぁぁ………」
 だめだ……ちっともおさまらない……。
 外の雨も、おなかの中の大嵐も……。
 しかも、さっきとは比べ物にならないほど……うんちが出そうに……。

 よりによってこんな時に、おなかをこわしてしまうなんて……。
 砂漠の国でゲリラ戦をやってた時にも、何度か下痢したことはあったけど、その時よりずっとひどい……。
 もしかして、さっきの食事が……?
 いや、だとしたらこの男も無事ではないはず。
 じゃあ……やっぱり、雨にぬれてこの格好ってのがまずかったか……。
 身体の最小限……胸だけを覆うノースリーブと、身体に密着する下着同然のパンツ。いや、下に何も履いてないんだから下着そのものか……。みぞおちからおへそにかけてはむき出しで、おなかが冷えるには十分すぎる条件だ。
 せめて、もうちょっと焚き火に近づいて暖まっておけば……。でも、今思っても後の祭りだ。

「…………」
 視線を上げると、あの男の寝顔。
 涼しげに寝息を立てている。
 ……くそっ、人の気も知らないでっ……。
 できることなら、この場でしてしまいたいほど切羽詰ってるのに……。
 ……そんなこと、できるわけないけど……昨日今日会ったばかりの奴といっても、男の前でなんて……。


 グギュルルルルルルッ!!
「うぅっ……あぁぁぁっ……」
 底なしにおなかが下っていく。
 身体全体が震えるほどの腹痛、そして、おしりの穴のすぐ内側まで来ている、水気たっぷりのうんち……。
 こ、このままじゃ……雨が止むまでどころか、あと10分ももたないかも……。
 雨なんか気にしてる余裕はない。
 こいつが寝てる間、身体が動くうちに、何とか外に出てうんちを全部出してしまわないと……。

「くっ……」
 立ち上がる。
 それだけで足が震え、おしりにかかる圧力が数倍にも跳ね上がる。
 完全に足を伸ばすこともできず、中腰で我慢。
 出そうになるものを止めるため、片手でおしりの穴を服の上から押さえる。そうしないともう……。
  グギュルルルルルルゥ〜……。
 おなかから駆け下るうんちと、外から押さえる手がおしりの穴で必死に戦っているのがわかる。熱さを通り越して痛みすら感じるけど、だからと言って一歩も引くわけには行かない。手を離したら、その瞬間何が起こるかわかりきっているんだから……。
「くぅぅぅ……あっ……」
  グキュゥゥゥゥ…………
 嫌な音を残して便意が急激に去っていく。
 押さえきった……のかな。まだ、おなかはものすごく重いけれど……。
 と、とにかく今は早く外に出て――。

「どこへ行く気だ?」
「ひっ!?」
 驚いて声の方に目をやる。
「……お、おまえ、起きてたのか!?」 
「一応、気配ぐらいはわかる程度にしていたさ」
「なっ……」
 じゃあ、もしかして今まで全部……寝てると思ったから、声とかもろくに隠さないで必死に我慢してしまったのに……。
「で、どこへ行くんだ? たぶん、外に出ても風邪を引くのがおちだぞ」
「わ、私の勝手だろそんなの!!」
「それは勝手だが……何しに行くんだ? 救援でも来たのか?」
「……ど、どうでもいいだろっ!」
 ……まさか、腹が痛いから外でうんちしてくるなんて言えるわけない……。
「用がないなら出るなよ。せっかく助けた奴に死なれたら寝覚めが悪いからな」
「う……くそっ、わ、わかったよ!!」
 その場にしゃがみこむ。
 こうなったら、1時間でも2時間でも我慢してやるっ……。

「うぐぅぅぅ…………」
  ギュルグギュルルルルルルッ!!
 1時間どころか、ものの数分で新たな限界を迎えてしまった。
「だ、だめっ……」
  プッ! プスススッ!!
 押さえた手を押しのけて、おなかの中に溜まったおならが漏れ出る。
 楽になった圧力とは裏腹に、空気中にものすごい臭いが充満する……。
「おまえ……腹でも壊してるのか?」
「ち、ちがうっ!!」
  ギュルルルルルルルルッ!!
 口で否定した瞬間に、おなかからその事実を証明する音が発せられる。よほど水っぽくなっているのか、音がした瞬間にはもうその腸内の動きがおしりの穴に伝わっている。
「く、くぅぅぅっ……」
「……我慢できないなら、その辺でしちゃえよ。気にしないからさ」
「そ、そんなことできるわけないだろっ!! あ……くぅっ!?」
 叫ぶだけでまた、もれそうに……。
  ギュルゴロロログルルルルルッ!!
 必死に押さえる。こうすれば、こうすればまだ何とか……。
「えっ……!?」
 出てくる。
 上から、全力で押さえてるのにっ……。
 
「だめっ、もうだめっ……」
 両手でおしりの穴を押さえながら、よろよろと立ち上がる。
 せめて、こいつから少しでも離れたところで……。
「おい、大丈夫か……」
「くっ……」
 耳を貸してる余裕なんてない。とにかく、とにかく一歩でも……。
  グルゴロロロロロロロロッ!!
「あ……っ……」
 もう一段階、便意が強くなった。同時に身体中を駆けめぐった激痛。

  ガクッ……。
 もう立っていられなかった。前のめりに倒れ、膝をついて四つんばいの形に。
 せめて、この男にだけでも見られない場所で……それがダメなら、せめておしりだけは隠して……。そう思っていたのに、それすらかなわない。
 おしりを後方……あいつの方に突き出したまま、私は本当の限界を……。


「あぁぁぁぁぁっ!!」
  ブブブボッ!! ブッ!!
  ブビビビビビビビビビッ!!

 ……出てしまった……。
 おしりに密着するパンツに、柔らかいうんちがドバドバとあふれ出していく。

  ブボボボボボボボッ!! ブジュビビビッ!!
  ブリュブバババブビッ!! ブビブビビビブブブッ!!
 あっという間におしりの周りが軟便で一杯になり、うんちの中にうんちを叩きつける状態になってしまう。水気の多いうんちがすごい勢いでかき混ぜられて、パンツの中でぐちゃぐちゃにうごめいている。その生ぬるい感触がおしりにまとわりついてくる……。臭いも、さっきのおならなんて比べ物にならないほど……。

「うぅっ……あぁぁぁ……」
  ブビブビビブビビビビッ!! ブジュルビィィッ!!
  ブボボボブビッ!! ブジュブジュブビビビビッ!!
 パンツがどんどん重くなって、ずり下がりそうになっていく。もう、おしりの穴のとこだけじゃなく、前から後ろまでたっぷりと膨らんでいるだろう。きっと下着の外側にまで、茶色い染みが浮き上がっているに違いない。

「う……うぅぅっ……」
  ブジュルルルルルブリュッ!!
  ジュルブリリリリブシュブシュッ!! ビィィィッ!!
 出始めより一回りゆるい水状のうんちが、どんどんあふれてくる。もう、おしりの穴の感覚なんてない……。
「っ!?」
 ふとももにおぞましい感覚。
 パンツの中を埋め尽くしたうんちが、外にあふれ出して……。脚を伝って流れてる……。

  ブリュブリュブリュッ!! ブッ!!
  ブジュルルルルルルルルルッ!!
「うぅ……あぁぁぁ……」
 全然治まらない激しい腹痛。目を開くことすらできない。それでも、脚に伝わる感覚だけでわかる。パンツからあふれた茶色い液体の筋が、一本、また一本……。
  ブビビビブビブリリリリッ!!
  ブバブバブバブボボボボボボボボッ!!
  ジュブブブブブブッ!! ビブボボボボボボボッ!!
「あぁぁぁっ……」
 これだけたくさん出したのに、また大量のうんちが一気に……パンツの中がまたぐちゃぐちゃに……。液体だけじゃなくて、べとべとするゆるめのうんちがボタッ、ボタッて地面に落ちて……うぅっ……。
  ブリュッ!! ブジュジュジュジュッ!!
  ジュルブビビビビビビッ!! ブボボボッ!!
  ブジュブジュブビビビビッ!! ビチビチビチッ!!
  ブリュブボボブビブビブビブッ!! ビュルルルルルビジュゥゥゥッ!!


 パンツの中を残らず埋め尽くした下痢うんち。
 脚にさえ浮かんだ汗もかき消す、何本もの液状便の垂れ流れた筋。
 そして、パンツの両脇からあふれ出し、地面に小さな山を二つも作っているゆるいうんち……。
 私は、自分が生み出したものすごく汚いうんちに埋め尽くされながら、膝をついてたたずむだけだった。

 ……もう、どうしようもなかった。
 外に出ることも、あの男の目から隠れることもできずに、全部……。
 いくら赤の他人だって、こんな姿を……。
「うぅっ……ぐすっ……」
 あまりにもみじめで、涙が出てくる。恥ずかしいのはもちろんだけど、それ以上に情けない。
 ……なんで、こんなことに……。
 自分が悪いのはわかってる。でも……それでも、誰かのせいにしないと、おかしくなっちゃいそうで……。
 こいつが……この男がいなければ……こんなことには……。
 
「……これ、使えよ」
「………?」
 声も出ないけど、顔だけ振り向く。
 あの男が……白い布……タオルを2枚持って立っていた。
「こっちで拭いて、これを巻いとけ。少しは、冷えないで済むだろ」
「あ……」
「とりあえず、脱げよ。俺、外に出てるから」
「………………」
「あ、……別に汚いとか言ってるんじゃないからな」
「………………………雨、まだ降ってるだろ……?」
「…………俺が見てる前で着替えたいのか?」
「………………」
「……気にするなよ」
「………………わかったよ」
「そっか。……じゃ」
「あ……」
 外へと踏み出していくその男の背中に、声をかける。
「……どうした?」
「そ、その……おまえ…じゃなくて……その……」
 こいつ……何ていうんだっけ……まだ聞いてなかったな……
「ああ。……アスラン。アスラン・ザラ」
「あ………………ごめん、アスラン」
 その言葉を聞くと、そいつ……アスランは、雨の止まない洞窟の外へ出て行った。


「……………………」
 下着を下ろすと、うんちに塗りつぶされたおしりとパンツの中身が現れる。
 色、質感、臭い。どれを見ても、さっき以上の惨状。

 それでも……さっきみたいな絶望感は感じなかった。
「アスラン・ザラ……」
 その名前をつぶやく。
 心の中に、少しだけ温かいものを感じた。
 ……今ごろ、外で雨に打たれているんだろうか。全部私のせいなのに……。
 ……早く、後始末をして呼びにいってあげなきゃ……。
 私は、彼が残してくれた布を手に取り、おしりに広がった絶望的な汚れと戦い始めた……。


あとがき

 というわけで、ガンダムSEED「二人だけの戦争」より、カガリたん下痢おもらしです。なんか10kB程度は構想込み数時間で上がってしまいますね。だいぶ慣れてきました。このペースなら100本も夢じゃないかも。まあ、桜ヶ丘シリーズが結構大きくなりそうなので、その合間程度にやっていきますけど。
 この作品は、morebigさんにいただいたメールに触発されて書いたものです。ガンダムが新旧問わず大好きとのことで、後は下痢おもらしに対する並々ならぬこだわりに感服いたしました。残念ながら服装の方はご期待通りとは行かないかもしれませんが、お楽しみいただければ幸いです。
 ちなみに、08小隊にも同様の話がありますのでそっちもいいかなと思いましたが、やはりヒロインの年齢を考えてこちらにさせていただきました。ノーマルスーツにおもらしも一度やってみたいシチュエーションですけどね。


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