メゾン・メモワール302号室 2019年5月18日6時38分
06:38:05
「ふぁぁ……」
ゆっくりとドアが開き、朝日の光とともにピンク色のフリル付きパジャマをまとった少女が入ってくる。大きな瞳の上三分の一をまぶたが覆っており、まだ眠たげなとろんとした表情。先月から大学生になったのだが、まだ小学生と言っても通用する幼げな容姿だ。今はセミロングの黒髪を下ろしているが、普段は二つおさげにまとめており、より子供っぽく見える装いである。
06:38:23
「んっ…………」
便器の蓋を開けて、パジャマのズボンをずり下げながら小さなお尻を便座に下ろした。太ももにはその字面に反してそれほど脂肪が付いておらず、膝をぴったり閉じているにも関わらず両脚の間には1cmから2cmほどの隙間ができている。真上から見れば便器の中がわずかにのぞき、真下から見ればこれまた幼い一本線の割れ目がくっきりと見える。
初夏の朝日が差し込む部屋。窓から聞こえる雀の声。自然に目が覚めてベッドから体を起こした少女が、身支度の前にトイレに入って――。それは日常そのものといえる光景であった。トイレの中でも変わらない彼女の可愛らしい容姿を見たほとんどの人は、この後股間の一本線の中央付近から、金色に輝く透明な液体が迸ることを予想するだろう。
06:38:46
「ふぅっ…………っ、んっ!!」
ブシャーーーーーッビチビチビチブビビビビビビシャーーーーーーッ!!
ブピッビシャァァァビチィーーーッ!!ブシャァァァァァァァビチィッビュルルルルルッ!!
ブピッビシャーーッ! ビュルッビュルジャァァァァァビシャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
……常人の予想を裏切る光景がそこにはあった。すぼまっていたお尻の穴が開くと同時に、直腸いっぱいに充填されていた液状の便が、長径2cmの円形の断面をもつ水流となり、凄まじい勢いで水面に叩きつけられた。便器の底に溜まった水が一瞬にして黄土色に染まり、跳ね返った水しぶきが壁面の陶器を斑模様で染め上げ、白いおしりを無数の水滴で汚していった。
就寝中に彼女の体内に生成されていたのは、大量の水状便であった。
06:39:08
「……んぅ……うっ……うううぅっ…………んっ!!」
ブビビビッブババババババババドボドボドボドボーーーッ!! ブパッビュビチィッビィィィィィィッ!!
ブジュルルルブビーーーッブバァァァァァァッ!! ビチチチチチチチチッ!! ブジューッブビィィィッ!
ブシャーーーッビュルルルルルルビュビチィーーーーッ!! ビチビチビチブビッブババババビジュビシャーーーーーーーーッ!!
目を閉じてお腹をさするパジャマ姿の少女。便器の外に見える姿は、人形のように可愛らしいものだった。
しかし便器の中では、肛門がさらに大きく広がり、凄まじい勢いで黄土色の濁流が吐き出され、便器の中は汚物の大洪水となっっている。濁流は出しても出しても止まらず、跳ね上げられた水飛沫がお尻に次々と飛び散り、左右対称の2つの曲面の頂点から滴り落ちる。
まるで目の前で見ているかのように描き出される排泄の光景。
それは、トイレの中に設置した無数のカメラによって記録された映像と音声だった。
左斜め前方から全身を映す1台目。正面から表情を捉える2台目。便器後方低めの位置から見上げる3台目。真上から便器の中も覗ける4台目。
便器の中には、前方から秘部を映す5台目。後方から肛門を見上げる6台目。側方から便器の底の汚物を記録する7台目。斜め前方から便器の中全体を見る8台目。これらは赤外線照射・撮影機能付きで、たとえ便器の中が真っ暗な状態でも撮影が可能である。
これらのカメラは有線で電源供給され、映像はサーバに24時間記録される。一時的に通信が途切れたとしてもカメラ内部の不揮発メモリに保存された内容が再送され、映像と音声を完全な形で残すことができる。
全9部屋のマンション。都内女子大学の徒歩圏内にあり、ほとんどの入居者は同大学の学生である。築年数は古いものの、全室リフォーム済みでありオートロックなどのセキュリティも充実している。さらに1階にはコンビニエンスストアがあり利便性が高い。それでいて、賃料は極めて安価である。
「学生さんに快適に過ごしてもらい、いい思い出をたくさん作ってほしい」とは、管理人が契約の際に入居者にかける言葉である。
その言葉に偽りはない。しかし、その言葉が全てではない。
女子学生の生活……特に排泄行為を余さず撮影し、永久に記録に残す。
このマンション、メゾン・メモワールは、そのために存在する。
今日もまた、新たな排泄行為が記録されている。
06:40:43
「うぅぅっ……まだ出る……」
ビチィィィィィブビビビビビビブバァァァッ! ビィィィィィィッ!! ブジュルッブビブジューーーーーッ!!
ブジャッビシャァァァァァビチィーーーーーーーッビュルルルルルッ!! ビシャビュルーーッビチィィィィィィブビューーーーーーーーーーッ!!
ブジャッビュルルルルブビューーーーーーッ!! ブシャーーーーッビィィィィィィィィィビュルーッ!! ビュビィィィィィィブシャーーーーーーーーーーーーーーッ!!
ビュッビィーーッビチィビュルルルルルルルルルッ!! ブシャビチィィィィィビシャーーーーーーッドボドボドボドボドボッ!!
便器内の4つの映像の大半が黄土色に塗りつぶされる。
凄まじい勢いで排泄を続けているのは、302号室に入居する鈴川あゆみ。
女子大学の1年生で、大学生と呼ぶには幼すぎる体つきと、アイドルのような可愛らしい顔立ちが印象的である。
だが、その外見よりも特徴的なのは、毎日繰り返される激しい下痢便の排泄行為である。
彼女は胃腸が弱く、常にお腹を下している。これまで2ヶ月以上のトイレの映像の中には、固形の便は一度も現れていない。
そしてさらに、その排泄量が信じられないほど多い。1回あたり1リットルに近い水状の便を便器の中にぶちまける。
06:41:25
「ううぅぅぅ…………はぁっ、はぁっ……ん、ふぅぅっ!!」
ビュルッブシャァァァァァァビシャビシャアアッ!! ビュルルルルルルルルルブビビビブバァァァァァァァァッ!!
ビュルッビチィィィィィィビシャアアアアアアアッ!! ビュルッビシャァァァァァァァァァァァァァビィィィィィィッ!!
ブピッブシャァァァァァァァァァァァブシャーーーーッ!! ビィィィィィィビシャーーーーーーーーーッ!!
ブバッブジュルルルルルビチチチチチチチチチッ!! ブビビビビビッブパッビィィィィィビチィーーーーッビシャアアアアアッ!!
後方から見上げるカメラが中心に捉える肛門はずっと開き続け、中心から黄土色の滝を流し続けていた。
3分以上経っても肛門からの噴出が止まらない。一度止まっても10秒とおかず次の噴出が開始される。
小さな体の中に留められていたとは思えない大量の下痢便が、すでに茶色い沼と化した便器の底に叩きつけられていく。
飛沫と言うより水状の便そのものが跳ね上がり、真っ白だったお尻を黄土色に染め上げていく。
しかし、想像を絶する状態になっている便器の中とは対照的に、膝元まで下ろされた下着は真っ白なままで、彼女がトイレに間に合ったことを示していた。
06:42:51
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あぁ……………………っ、んんっ……あぅっ!!」
ビュルルッ……ビィーッ……ビュルッビシャーーーッ!! ブジュジュブバッビチビチビチビチビチビチィッ!!
ビシャビチャブシャーーーーッビチィーーッ!ビチィィィィィィィブビューーーーーーーッドボボボボボボボッ!!
激しい噴出が収まり一息ついたのもつかの間、再度水状便の奔流が彼女の肛門から吐き出される。その間わずか13秒。
06:43:25
「んっ…………うぅっ………………んんっ……!!」
ゴロロギュルグピィーーーーーーーッ!!
ビチャブピピピピピピピピピピピピピビチチチチチッ!!
ビュルルルブピピピブバーーーーッ!! ブバッビィィィィィィィィィィィィィッ!!
ゴロッグルルルルルギュルルルルルルッ!
ビシャブシャァァァァァァァァァブビューーッ!! ブシャビシャーーーーービチィーーーーーーーーーーーーッ!!
噴出の合間には、腸が激しく蠕動し直腸に新たな液体が装填される音が響く。
次の瞬間にはその液体が肛門から発射されている。洋式便器の水たまりはすでに下痢便で置換されており、跳ね上がる飛沫の色も当初より濃くなってきた。
便器の中の映像には中心の茶色い水たまりに加え、数え切れないほどの飛沫が記録されている。その透明度には比較的薄いものからほぼ不透明なものまであり、時間とともに徐々に水たまりの色が濃くなってきた様子が記されていた。
06:44:07
「んんんんっ…………ふぅっ…………うぅーーーっ……!!」
ジャーーーーーーーーーービシャアアアアアアアアッドボドボドボッ!!
ビュッビチィィィィィィィィィビューーーーーーーージャーーーッ!! ビュルルビィィッ!!
ブビビブビッブビィィィィィィッ!! ブシャッビュルルルルルルブシャァァァァァァァビチィーーッ!!
ビシャーーーーーーーーーーーーーッビュルルルルルルッ!! ビュルブシャーーーーッドボボボボボボッ!!
大量の下痢の排泄がまだ続く。普通はこれだけ出せば、便意があっても中身は出ない渋り腹の状態になってもおかしくないが、彼女の体は、お腹に力を入れれば入れただけ液状の便を生み出している。まるで今出し始めたかのように、下痢便が噴出している時間の方が出ていない時間よりも長いのだった。
06:44:38
ブピッブシャーーーーーッビィーーーーーーーーーッ!! ブジュブビビビブジュルーッ! ビシャビシャビシャァァァァァァビチィーーッ!!
便器内前方からのカメラが20秒間の連続した排泄を捉える。
06:45:03
ブジュビィィィィィッ!! ビュルルルルルルルルルルルルルブピピピピピピピピピピィーーーーーッ!!
ブシャビシャビシャビィーーーーーーーーッ!! ビシャーーーーーーーーーッビュルルルルルルルッ!!
5秒の間をおいて、ガス混じりの35秒間の排泄。便器内後方からのカメラが肛門の激しい振動と飛び散る飛沫を映し出す。
06:45:53
ビュブシャーーーーーーーーーーッ!! ブシャッビィーーーーーッビュルルルルルルルルルルルルルルルビシャビシャーーッ!!
ビィィィィィィィィィィビュルルルルルルルルルルルルブビューーーーッ!! ブピッビィィィィィィィィィッ!!
ブシャッブシャーーーッジャァァァァァァビュルルルルルルルルビシャアアアアアアアアアアッ!!
15秒間の休息。便器の底の映像には、水面に残る波紋と肛門から滴ってくる雫が映る。その雫が落ちる間隔が十分長くなるよりも早く、茶色い池に新たな滝が流れ込んだ。
1分13秒に渡る大量の水便の噴出。
06:47:18
グピーーーーギュルルゴロロロロロロッ!!
ブパッビィーーーーーーーーッビュルルルルルルルルルビシャアアアアアアアアアアッ!! ブシャッビュルルルルルルルルルルブシャーーーッ!!
ブピッビシャーーーーーッビチィィィィィィビシャーーーーッビィィィィィッ!!
ブシャァァァビュルルルルルビューーーーーーブシャーーーーーーーーッ!! ビュルッビシャーーーーーーーーーーーッビチビチーーーーーーッ!!
便器の中全体を映していたカメラは、視界の60%を黄土色で塗りつぶされながらも記録を続けていた。
12秒間の沈黙をお腹の奥から響く音が破り、その音が収まると同時に再び水便の噴出が始まり、今度も1分22秒間続いた。
06:48:47
「っぅ…………はぁっ……はぁっ…………」
ゴロゴロゴロロロッ!! グギュルルピィーーッ!
ゴロピィーギュルギュルルルルゴロロロロロロッ! グギュルルッ!
肛門からの噴出が止まって、次の噴射がないまま30秒が経過した。しかし彼女は後始末をする気配を見せない。絶え間なく鳴り響くお腹の底からの重低音が、まだ排泄が続くことを物語っている。
06:49:17
「うぐ、うぅぅんっ!!」
ビュビュルビチャジャーーーーッ!! ビュッブシャーーーーーーーッビィィィィィィィィッ!! ブシャッジャァァビシャーーーッ!!
ブジャッビュルビュルビシャビシャジャアッ!! ブジャッビィィィィィィビシャアアアアッ!!
ブシャッビュビチィィィィビシャーーーーーッ!! ビュッビシャーーーービシャビィーーーッジャーーーーーーーーーーーッ!! ブシャジャァァァァビィィィィィビチィーーッ!!
再び始まった猛烈な排泄。絞り出すという様子は微塵もなく、お尻の穴を茶色い水が駆け抜けていく。
06:49:41
「あぅぅ……んっ…………ぐっ…………」
ビシャビシャーーーーーーーーッビュルーーーーーーーーッジャアアアアアアアアアアアアアアッ!! ビュルッビチィーーーッビィィィィィィィィィッ!!
ビュルッブシャーーーーーーーーーーーーーーーーッジャーーーーッ!! ビシャブシャーーーッビュルッ!!
ブピッビチィーーーーーーーーーーーーーッジャアアアアアアッ!! ビィーッ!
彼女の体内から吐き出された汚水で便器の中の水面の高さが増し、至近距離で撃ち付けられた水便が同じ色の飛沫を跳ね上げ、すでに汚れている便器の側面やお尻の肌を容赦なく汚していく。
06:50:13
「ふぅんっ……ぁう……っ……ぐぅっ!!」
ジャァァァァビチィィィビィィィッ! ビチャビチャビィィィィィィッ!! ブシャーッ!
ブピッビシャーーッビィィビシャアアアアアアアアッ!! ビュルビシャーーッブシャーッ!
ビュブシャァァァァビチィーーッ!! ビシャブシャァジャーーーービュルルルルルッ!! ビュッビュルルルビシャーーーッジャーーーッ!
ビシャジャァァァビチィィビシャアアアアッ!! ビュッビュルビチィーッ!! ビシャジャーーーーーービュルルルルルッ!!
彼女がトイレに入ってから12分が経過した。大量の水状便を吐き出した彼女は可愛げな顔に汗を浮かべ、お腹を抱えて体を震わせている。便器の中は四方八方に茶色い飛沫が塗りたくられており、まるで故意に汚したかのような惨状であった。小柄な少女がお尻の穴を開いただけで作り上げられとはとても考えられない光景である。
06:50:55
「はぁっ…………はぁっ…………んっ!!」
ブジャッビュルビシャアアアアアアアアアアッ!! ブシャッブシャーーーーーーーーーーーーッブビューーーーーーーーッ!!
ブシャァァァァァァァァァァァァァァァビシャアッ!! ブシャジャァァァァァァァァァァァァビュルルルルルルルッ!!
ビュルルルルジャァァァァァァァビィィィィィィィジャーーーーッブビビビビビッブッブブゥッブーーーーーーッ!!
ブボッブピブピブピブピーーーーーーーッブピピピピピッ!!
息をついた彼女がお腹に力を入れると同時に、また猛烈な噴出が始まる。黄土色の太い水流が一直線に便器に注ぎ込まれる。水たまりの色はこれ以上濃くなりようがないが、水かさはとどまることなく増えていく。
その水流が突然途切れ、凄まじい破裂音が連続して響いた。
水便によって開ききっていた肛門が、腸の奥から押し寄せてきたガスによって激しく振動し、茶色い飛沫を弾け飛ばせながら爆音を立てたのだった。
06:51:58
「あぅ…………っ…………んっ…………ふぅっ…………」
プジュビピーーープゥーーーーーーブピピッ!!
ブジュュゥゥッ……プピッ…………プピーーーーッ……
気の抜けたような声を出しながら体を震わせるが、出るものはガスだけになっていた。わずか1分前には凄まじい勢いで水下痢を噴射していた肛門からは、気体とほんの僅かな飛沫のみが飛び出している。
そのガスの放出も腸内の圧力低下に伴って力強い音から徐々に情けない音に変わり、ついには気体の放出も終わりを告げた。
排泄が始まってから最後のガスの放出が止まるまでの時間は、13分21秒であった。
06:52:40
「んっ…………ふぅ………………」
指先で便座の横にあるボタンを押す。温水洗浄機能の起動ボタンだ。ノズルが伸び、先端から清浄な水流が仰角43度で放出される。肛門を濡らす黄土色の水滴が、透明な水で洗い流されていく。
温かい水流を体に受けた彼女は、もう一度同じボタンを押した。ムーブ洗浄機能が作動し、ノズルが前後に動き始める。彼女は肛門の汚れが広範囲に渡っていることを自覚しているようで、いつもこの機能を使用している。
06:53:11
「ふぅぅ…………」
肛門を洗い終わった彼女は白い紙を手に取り、中腰になってお尻を拭き始めた。彼女が後始末を始めたことにより、真上から映すカメラで便器の中の様子が見えるようになった。中心部は黄土色の便に満たされて底が見えず、それより上の陶器面にも無数の飛沫が飛び散っていた。というより、飛沫が飛んでいない面積の方が少ないほどであった。
後始末を始めた彼女は、肛門ではなくまずはお尻に飛び散った飛沫を拭き取る。肛門に触れていないにも関わらず、片側を拭いただけで白かった紙は黄土色に染まった。新たな紙を巻取り、反対側を拭く。それが終わってやっと、汚れの原点たる肛門に紙を当てる。水流で洗浄したにもかかわらず残っていた水便が紙に染み込み、紙を持つ手に湿り気だけでなく粘性の感覚を与える。肛門から離した紙には、便器の内容物の色が染み込んでいる。
。
06:53:45
「うぅ…………」
再度洗浄ボタンを押して、一度引っ込めたノズルを再び呼び戻す。同じ勢いで水流が噴射される。彼女はお尻をもぞもぞと動かしている。水流の当たる位置を変え、肛門の前から後ろまでを洗い流そうとしているのだ。
前後、左右、上下。さらに、肛門を広げたり窄めたりして、付着した汚れをくまなく洗っていく。
06:54:31
「っ!!」
酷使された肛門を癒やしていた人肌の温水が、突然肛門に痛みを与える冷水となった。タンク貯湯式であるこの温水洗浄便座は、タンクに溜まったお湯を使い果たしてしまうと温まっていない冷水がそのまま放出される構造なのである。彼女は腰を浮かせそうになりながら停止ボタンを押した。水が止まって一瞬の後、ノズルが格納され始めた。
06:54:44
「うぅ……」
再び手にとった紙で肛門を拭くと、今度はうっすらと紙が色づく程度の汚れにとどまっていた。新しい紙を取って拭くと、よく見なければわからない――よく見ればわかる程度の汚れ具合であった。もう一度拭いた紙には、今度こそ汚れが見られなくなっていた。
06:55:10
「ふぅ…………」
下ろしていた下着とパジャマをずり上げ、彼女はトイレに入ってきたときと同じ可愛らしい姿を取り戻した。
06:55:18
「あぅ………」
立ち上がって便器の中を覗き込んだ彼女は思わず目を背ける。便器の中一面の黄土色。おしりを拭いた紙も、水便の中に沈んで全面同じ色に染まってしまっていた。
もともと便器の底には体積にして1L、封水面の直径16cmに高さ5cmほどの水が溜まっていたが、すでに不透明な水便に埋め尽くされて底は見えず、黄土色の水面の高さは10cmに達していた。1Lを上回るほどの水便が彼女の身体から便器内に注ぎ込まれていたのだった。
06:56:36
「うぅぅ…………」
彼女はさらに紙を手にとって、便座の裏と便器の側面に残った飛沫を拭き取っていく。おしりを拭くのに使ったのとほぼ同じ量の紙を消費して、やっと掃除が終わった。
06:56:48
「うぅ…………」
顔を赤らめながら水洗のレバーを回すと、タンクから供給された水が黄土色を薄めながら便器の中に溜まっていき、水量が6Lを超えて水面がある高さに達すると排水が始まる。排水管の中が液体で満たされることにより、S字トラップの高所を越えて水が低所、すなわち下水管の中へと移動し、この時に便器の底に滞留している固形物を一緒に吸引するのがサイホン式洗浄の原理だが、この便器においては紙以外の固形物を流す必要がほとんどなく、水便と水道水の混合物を移動させているだけであった。
06:56:56
「ふぅ…………」
ゴボゴボという音とともに全ての液体が便器の奥に消えたのを目にし、彼女はほっと息をつきながら便器の蓋を閉じた。
その直後、わずかに黄色みがかった半透明な液体が静かに便器の中に戻ってきた。その中には、未消化のにんじんであろう赤色の小片や、そのままの形状で出てきた黒いゴマ、さらにはもともと何であったか判別できない白い5mm四方の繊維質が浮かんでいた。均一に混ざり合っていたがゆえに、最後にS字トラップを越えられずに残った薄められた汚水と未消化物がわずかに便器の中に残ってしまったのだった。
06:57:05
「…………うん、もう大丈夫」
おなかをさすっていた彼女が手を伸ばし、タンクの上部に流れる水で手を洗う。
彼女が扉を閉めて狭いトイレを後にしたのは、扉が開いてから19分が経過した瞬間であった。
照明が落ちて扉が閉まったことで、トイレの中の光量が激減する。各カメラがそれを検知して赤外線LEDを点灯させ、単色の映像を新たに映し出す。
真っ暗なトイレの中、閉められた便器の蓋の下で、わずかに濁った水の中に残された未消化物がゆっくりと漂っていた。
――これが、彼女がこの302号室に入居してから51日、毎朝繰り返されている光景であった。凄まじい量の水状便の排泄。朝一番だけでなく、毎日帰宅後や夜にも、これと同じかそれ以上の量の水便を吐き出している。時には朝食の後にもう一度もよおしたり、休日には10回以上トイレに駆け込むこともある。
ただ、それほどお腹が弱いにもかかわらず、彼女はお漏らしをして下着を汚したことはなかった。正確には、この部屋のカメラには彼女のお漏らしの映像はなかった。帰宅すると同時にトイレに飛び込んで水便を噴射することは数日に1回はあるのだが、よほど我慢する力が強いのか、下着の中に水便を解き放ってしまうことはなかった。お尻に飛んだ飛沫を拭き忘れて小さな染みを作ってしまったことはあったが。
彼女のおもらしが初めて記録されたのはこの部屋のトイレではなく、同じマンション内のエレベータ内に不運にも50分間閉じ込められた時、監視カメラに記録されたものであった。