ぴーぴーMate Episode 2: 閉ざされた扉の先に

Part.3 小さな希望の扉


「………………っ…………」
 はるかは零れそうになる涙をこらえて前を向いた。

 半年前、恋人の前で下痢便を漏らしてしまった記憶。
 あの時と違う制服に身を包み、悲しい記憶が残る学校を離れても、なお消えない悪夢。
 限界近くまで我慢する苦しみを感じる時、いつもあの時のことを思い出してしまう。
 起きているときだけではなく、度々夜中にうなされて飛び起き、すると必ずお腹が痛くなりトイレに駆け込むことになる。
 真夜中に涙を流しながら便座に座り込み、痛むお腹をさすりながら下痢便を便器に注ぎ込んだことは数え切れない。新しい学校に通い始める日だった今日も、その悪夢にうなされ、夜中と明け方にトイレに駆け込んでいた。

(もう、絶対漏らすのはやだ……)
 あまりにも悲劇的な経験をしてしまったはるかは固く心に誓っていた。だが、彼女のお腹はそんな意志など構うことなく突然下り始める。というより、普段から下痢体質のはるかにとっては、下っているお腹が突然さらに急激に下ってしまうという表現が正確であった。
 今も、電車に乗ったことでトイレに行けない状況になり、腸の過敏な活動の引き金が引かれてしまい、猛烈な下痢に襲われた。電車の中で必死に耐え、学校の最寄駅まで我慢できないと判断し途中下車したものの、予想外のトイレの大行列が彼女と個室の間に立ちはだかっていた。

「ふぅっ…………くぅ…………」
  ブピッブシャーーーーーーーーーーーーッビシャビシャーーーーーーーーーッ!! ブパッビュビィーーーーーッ!!
  ビュルッビュルルルルルブシャーーーーーーッ!! ブシャビィィビュルビシャビシャジャーーーーーーーッ!!
  ブシャビュルビチャブシャーーーーッ!! ビュルッビシャビシャビシャジャーーーーーッ!! ビシャビチィーーーーーッビシャァァァァァァァァッ!! ブジャッジャァァァァァビチビチビチビチブビューーーーーーッ!
(…………どうして…………こんなのって…………)
 トイレの列に並んでから1分が経過した。先頭にいた中等部の女の子が飛び込んだ一番奥の個室からは止まることなく破裂音混じりの激しい水音が鳴り響いている。他の個室は一人ずつ入れ替わり、はるかの前に並ぶ人数はあと7人。個室2つ、一人2分で終わったとしてはるかの順番が来るのは6分以上後だ。

  グルピーギュルルルルッ!! グピーゴロロギュルッ!!
  グギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゴロピィーーーグルルルグギュルーーーーーーーッ!! ギュロロロロロッ!!
  ゴロッピィギュリリゴロロロロロロロロッ!! ピィーーギュルルグギュルルルルルルッ!
(あと…………6分…………)
 電車に乗ったときよりも激烈になっている腹痛。液体が腸の中で蠢く腹鳴り。肛門に押し寄せ続けている圧力。はるかの体は、あと6分しか我慢できないと訴えている。ここで待っていたら、個室が空く前に漏らしてしまう。
 別のトイレを探すということは計算上は可能だった。だが、改札外に出たことのないこの駅でコンビニや公衆トイレを探し、すぐに見つかった上にそこが空いていてすぐに入れるという可能性はかなり低い。6分という時間も、じっと立ったまま我慢していることが前提の時間であり、歩いていたらもっと早く力尽きてしまう。便意の波が来たら立ち止まって我慢に集中せざるを得ず、実際にはトイレを探せる時間はその半分程度だろう。電車通学を始めて間もない頃、初めて降りた駅でトイレ行列に耐えきれず他のトイレを探して彷徨い、コンビニを見つけたもののトイレは貸していないと断られ、公衆トイレにたどり着いたものの個室が埋まっており力尽きて漏らしてしまったことがある。最初の行列に並んでいれば間に合ったかもしれないのにと、後始末をしながら遅すぎた後悔を繰り返したこともある。

(お願いして…………順番、先に入れてもらえば…………恥ずかしいし……みんな並んでるのに悪いけど…………本当に我慢できない…………)
 残された選択肢は有効ではあるがかなりの精神力を要するものだった。はるかはお腹を擦りながら前の方をうかがった。

「うぅぅ…………あぁっ…………」
  ビシャビシャーーーーーーッブジュビシャアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ビュルッビシャーーーッブビィィィィィィィッ!!
  ビュッビシャーーーーーッブシャァァァァァァァァァビシャーーーーーーーーーーッビィィッ!! ビュビィビュルルルルビシャアアアアアッ!!
  ビシャビチィィィィィィィィィィィブシャーーーーーーーーーーーッビューーーッ!! ビシャビシャァァァァァァァァァビィィーーーーーーッ!! ブビューッ!
 一番近い個室には先頭に並んでいた中等部の少女が飛び込み、今も激しい水音を立てている。扉の下には茶色い水状便の飛沫が外まで飛び散っており、限界まで我慢していたことがうかがわれる。少なくとも5分以上は出てこられないと思われる。次に空いたのは一番奥の個室で、はるかと同じ制服の高等部の学生が出てきて、白いブラウスにピンクのロングスカートの大学生くらいの女性が小走りに駆け込んでいった。程なくして真ん中の個室の扉も開き、今度は見覚えのある制服の少女が出てくる。はるかがつい先月まで着ていた晶英学園中等部の制服、はるかが僅かに目を背けたその間に、暖かそうなセーターを羽織った30歳くらいの女性が個室に入っていった。
 濁った水音が絶え間なく鳴り響いている手前の個室と異なり、残り二つの個室からは清らかな水音が聞こえてくる。
(お願い、これ以上大きい方の人がいたら絶対間に合わないから……!!)
 はるかは祈るような気持ちで行列に目を移した。その瞬間、またはるかの下腹部以外から聞きたくない音が響いてきた。

  ゴロギュルルルルグルルルゴロロッ!! ギュルルルピィーーーーッ!!
  グギュゥゥゥゴロギュルーーーーーーーーーッ!! グギュルルルルグピィーーッ! ゴロロロロログルルッ!
「うぅっ…………!!」
 重苦しい音と同時に、はるかの前に並んでいた小柄な少女がお腹を押さえて前かがみになる。
「……!?」
(もしかして……この子も、お腹壊してる…………!?)
 腹痛に苦しむ所作ははるかの熟知するところだった。お腹を押さえてトイレに並んでいる、ということは個室の中ですることは一つだった。
(た、たぶんこの子が出てくるのを待つことはないから大丈夫だと思うけど…………)
 はるかは瞬時に判断を下す。手前の個室の少女がもし出てこられなかったとしても残り二つの個室が回転すればこの子が入ったと別の個室にはるかは駆け込むことになる。この子がお腹を下していてもはるかの我慢する時間には影響しないはず。

  グギュゥゥゥゴロゴロギュルルルルルッ!! ギュルグルゴログギュルルルッ!
  グギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゴログギュルルルルルッ!! ギュルルギュルピィィギュルルッ!!
  ゴロピィィィィィィィィィゴロロロロロロロロロピィーーーーーーーーッ!! ピーギュルッ!
  ギュルルルルルルルルルルルギュリリリリリリリリリリギュルギュリリリッ!! ゴロロロロロギュリリリリギュリリリリリリリゴロロロロロッ!!
「うぅぅ……………んっ……………うぁぁっ…………」
(ちょ、ちょっと…………この子……私よりもお腹の具合悪いんじゃ…………)
 前に並んでいる子はお腹をぎゅっと抱え込み上体を前に倒したまま震えている。お腹の音も鳴り止む気配がない。相当強烈な腹痛に耐えている様子だった。
(ど、どうしよう、この子を差し置いて私だけ前に入れてもらうなんて…………)
 はるかはその様子を見て躊躇してしまった。明らかに自分より具合が悪そうな子、しかも同じ学校で、もしかしたら同級生かもしれない。その子を差し置いて前に入れてもらい、もしこの子が漏らしちゃったりしたら……。

「………………」
(我慢するしかないよね…………大丈夫、前の人が早めに出てくれればなんとか間に合うかも…………)
 はるかは最大限の希望的観測を込めて行列の前を見る。一番奥の個室で水を流す音が響いた。入れ替わってから2分は経っていない。予想より早い流れがはるかの心に希望の灯をともす。先頭に並んでいた制服姿の少女が空いた個室に駆け込んだ。
 お腹を押さえながら。

「え――」
 はるかがその意味を理解するのとほぼ同時だった。

「うぅっ…………!!」
  ブビュルブリリリビチーーーッビュリリッ!! ビチブビィッ!
  ブビュルルルルブリィィィィィィィィィブビィィィィィィィッ!! ビチビチチブリビチャァァァァァァァァッ!!
  ブビビチチチブジュルルルブビィィィィィィッ!! ビチャブバーーーーーーーーッビィーーッ!!
  ブジュビチィィィィィィィィィィィィビチビチビチチチチチッ!! ブバッブビーーーーーーッブバッビィーーーーーーーッ!!
 個室の中で衣擦れの音がするとほぼ同時に炸裂音が響き渡った。
(うそ…………この子も…………下痢…………そんな…………!!)
 手前と奥の個室を下痢している子が占拠している。回転するのは中央の個室だけ。あと6人。一つの個室で順番が回ってくるには10分以上かかる。

(そ、そんなの、絶対無理っ……!!)
  ギュルルグギュルーーーッ!! ゴロロピィーグルルッ!
  ゴロピーギュルゴロロゴロッ! ゴロギュリリリリリリリリギュルーーーーーーーーーーッ!!
  グピィィィィィィィギュルグギュルーーーーーーーーッ!!
 はるかは自分の体の限界をよく把握している。お腹の痛み、ゴロゴロと鳴る音の大きさと感覚、肛門に感じる圧力と水っぽさ。それらから計算される我慢可能な時間は、もってあと5分。その倍以上の時間はどうやっても我慢できない。どんなにお尻が広がるのを押さえ込もうとしても、下りきったお腹の中身の圧力に打ち勝ち続けることはできない。我慢を続けることは5分後のお漏らしに一歩ずつ近づくことに他ならない。

(どうしよう、早く、先に入れてもらわなきゃ、でも…………)
  グギュルルゴロギュリリリリギュルルルッ!! グピーーピィーーギュロロロロロロッ!! ギュルルルルギュルピィィィグピィーーッ!!
  ギュルルルルゴロギュリリリリリゴロギュルーーーーーーーーーッ!! ギュルギュリゴロッ!
 恐ろしい唸り声が聞こえる。はるかのお腹からではなく、前の少女のお腹からだった。
「う、うぅ…………」
 この子を差し置いて前に入れるわけがない。それとも、二人揃って前に入れてもらう……? でも、名前も知らないし、二人も入れてもらうなんてできそうにない……。
 はるかは目の前が少しずつ暗くなるのを感じていた。

「っ…………」
 水洗の音がして真ん中の個室が開く。セーターを着た女性がかすかに震えながら出てきて、今度は紺色のスーツを着た若い会社員らしき女性が静かに入っていく。数秒後に勢いよく水流が便器を叩く音が響いた。両隣の個室から鳴り続けている炸裂音にも負けない大きさで、平静の陰でかなり尿意を我慢していたことがうかがわれた。

(これじゃ時間かかるかも…………)
 我慢していたおしっこを出し切るのには時間がかかる。別の用で悩む事が多いはるかにもそれはわかる。絶望の厚い雲がさらに一枚重なる。

  ゴロロゴロロロロロロロロロロロッ!!
  ピィィィィィィギュルルルルッ!! グピィィィピーーーーーーーグルルルルルルルゴロロロッ!!
  グギュゥゥゥゥゥゥグルルルルルルルルルグピィーーーーーーーーーーーッ!! ゴロッピィィゴログルルルッ!
「うぅっ…………!!」
 今度の音の発生源は自分のお腹だった。猛烈な便意がおしりに押し寄せる。反射的に下半身を緊張させ、上体を後ろに反らしてお尻を締め付ける。その内側にある肛門が決して開かないように。
(まだ、まだ我慢できる、けど…………)
 はるかはお尻に全神経を集中させながら思考回路を回転させる。我慢できるのはおそらくあと4分。前に5人。個室は実効的には一つ。一人1分で用を足し終えてもまだ足りない。

「くぅぅ…………!!」
  グギュルルルルゴログルグウーーッ! ゴログルルグルッ!
  グギュゥギュルゴログギュルーッ! グギュルギュルルルルゴロロロロロロロロロロッ!!
  ゴロロピィィィィィィィゴロゴロゴロゴログピィーーーーーーーーーーーーーーッ!! グギュゥピィピィィグギュルーーッ!!
 声を出すことすら困難な腹痛と便意に耐えるはるか。早くなにか手を打たないと。でも、どうすればいいのかわからない。初めて学校に行く前に新しい制服を汚してしまったら悔やみきれない。

「うぅぅぅ………んっ……!!」
  ビシャビシャビシャビチィーーーーーーーーーーーーーーーーーーッジャーーーーッ!! ブピッビュブシャーーーーーーーーッ!!
  ブシャッビチィィブシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッビュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルブシャーーーーーーーッ!! ビュルッビューーーーーーーージャアアアアッ!!
「……………くぅぅ…………!!」
  ビチャブビビチーーーーブジュルルルブジューーーーーッ!! ビチィィブジュルーッブバァッ!!
  ブピピピピピピピッブバババババブビィィブババババブピビィィィィィィィッ!! ビュルビチブジューーーーッブバーッ!!
 両脇の個室から激しい排便の音が響き渡る。手前の個室に駆け込んだ中等部の少女は、3分が経過しても全く勢いの衰えない水状便を噴射し続けている。奥の個室に入った子も爆発的な勢いで液状の便を吐き出し続けている。二人とも完全な下痢。はるかが毎日経験するのと同じかそれよりひどい下痢に苦しむ少女のトイレ。時間がかかることは自明だった。

(お願い、早く、早くっ…………!!)
 強烈な便意の波を乗り切ったはるかはお腹をさすりながら、涙で霞んだ視界の中で個室の扉が開くのを待ち続けた。その願いが通じたのか、中央の個室でずっと鳴り響いていた水音が途切れ、慌ただしく紙を巻き取る音が聞こえた。

 中央の個室が開く。出てきたスーツの女性を押しのけるように、タイトスカートを履いた30代の女性が飛び込んでいく。並んでいる全員がかなり長時間の我慢を強いられており、皆余裕がなくなってきている。
(あと4人…………でも…………あと3分しか…………)
「っ!!」
  グピィィィィィィピィグルルグウーーーーーーッ!! ゴロッピィーーーピィーーーギュロロロッ!
  グギュルルルルルルルルルルルルルルルギュルピーーーーーーーーピィィィィィィギュリリリリリリッ!! グピーゴロロロロピーーギュルーーッ!
 はるかのお腹が締め付けるような痛みを発する。前かがみになりそうな姿勢を無理やり立て直して上体を反らす、押し出されようとする肛門をお尻を寄せることで押し戻す。一瞬でも気を抜いたら漏れる。
(もう3分ももたない…………だめ…………このままじゃ…………!!)

「っ…………はぁっ、はぁっ…………!!」
  ブピブピーーーーーーーーーッビチーーーーーーーッ!! ビュブブブビブバーッブジューーーッ!! ブバッブビブビィッ!!
  ブビブゥーーーーーーッブボボボボボブボボッ!! ブボボボボッブビブウッブボボボボッ!!
  カラカラカラカラッ…………!!
「!!」
 奥の個室でひっきりなしに鳴り響いていた破裂音が途切れておならの音が連発する。そしてそれが鳴り止まないうちに紙を巻き取る音。

(!! これなら…………!!)
 中の子はかなり急いでトイレから出たがっているらしい。それははるかにとっては奇跡的な幸運だった。個室が二つで回れば、ぎりぎり何とかなるかもしれない。
 顔を赤くしてお腹を押さえながら少女が出てくる。入れ替わりに髪をポニーテールにしたジーンズ姿の大学生らしき女性が駆け込み、直後に響き渡る澄んだ放水音。

 間を置かず中央の個室の扉が開く。
(この人が出たら私の番…………あと1分ちょっと、なんとか、ぎりぎり…………)
 はるかが見つめる中、黒髪を短くおかっぱに切りそろえた女性が個室に走り込む。服装は白いブラウスに水色のカーディガン、紺色のプリーツスカート。身長はかなり低いが学生ではなく社会人のようだった。扉が閉まり衣擦れの音がして、水音が響く。

  シャーーーーーーーーーーーーーッビシャビシャビシャジャーーーーーーーーーッ!!
  ビシャッシャアァァァァァァァァァァァビシャシャジャーーーーーーーーーーーーーーーーッブビビビビビィィッ!!
「っ!!」
 一瞬おしっこの音だと思ったそれは、放尿ではなく排便の音だった。完全な水状の便。彼女は完全にお腹を壊していて水下痢を我慢していたのだ。思えばかなり顔色が青白かった。
「ん……っく…………!!」
  ビュッブシャーーーーーーーーーーーッビィィィィィィィィィィッ!! ブジャッビュルーーッ!
  ブシャッビィィビシャビチィーーーーーーーッ!! ビュビチィーーーーッビチィーーーーーッ!! ビィィビィィィィィィッ!!
  ブシャビュルブビューーーーーーッ!! ブジャッジャァァジャアアッ!
(…………うそ……そんな…………ここまで頑張ったのに…………これじゃ…………!!)
 希望を取り戻していたはるかの顔から色が失われる。はるかはこの個室に入るはずだった。その中では完全にお腹を下した女性が水状便を吐き出している。はるかの我慢がもつのはあと1分。水状になった下痢が1分で終わった経験など彼女にはなかった。

「あ、あぁぁ…………」
  ゴロギュルゴロロロッ! ゴログルピィーーグルルルルルルッ!!
  グピーーーーギュルルグギュルーーッ! ゴロッゴログルルルルルルギュルルルルルッ!! ギュルッ!
  グピーーーーーーーーーグルルルルルルルルルルルピィーーーーーーッ!!
  ギュルルルルルピィーーーーーーーゴロロロロロロロロピィーーーーーッ!! ゴロッギュグルルルルルルルルルギュロロロッ!!
 絶望に包まれたはるかのお腹がまた猛烈に駆け下る。便意の波が肛門に押し寄せる。震える足でお尻を閉じて必死に我慢する。しかしあまりに絶望的な状況に、精神力がお腹の痛みに負け始める。後ろに反らしていた上体が前かがみになり、お腹をさすることしかできなくなる。

(だめ、もう、もう我慢できない…………!!)
 はるかが目を閉じた瞬間だった。
「んっ…………早く……出なきゃ…………」
  ビュビシャーーーブシャーーーッビィーーッ!! ブシャブシャーーーーーーーーーーッビュルルルルルルルルルルルブジュビュルルルッブジュブジュブジュッ!!
  ブシャッビュルーッビュルーーーーーーーーーーーーーーーーッ!! ビチィィィビュルルルルルルルルルブシャーーーーーーッビシャーーーーーーーーーーーーッ!! ブピッビュルルッビチビチビチブジュブジュブジュブーーーーーーーーーーーーッ!!
 ガラガラガラガラ…………ガサガサッ……。
 一番近い個室から響き続けていた連続的な水音が、水気たっぷりながら気体が炸裂する音に切り替わり、それが鳴り止まないうちに大慌てで紙を巻き取る音が響く。そしてお尻ではなく床を拭いている音。それが3度ほど繰り返され、水洗の音と同時に扉が開いた。
「……あっ……ご、ごめんなさいっ……お待たせして……っ」
 出てきた少女が謝る声も効かず、先頭にいたセミロングの髪の女性は慌てた様子で個室に入っていった。床には短時間では拭ききれなかった水状便の飛沫が無数に残されていた。

(ここも空いた……でも…………)
 もう1分どころか数十秒すらもたない。足が震えて満足にお尻を閉じることもできなくなってきている。あの日観覧車で漏らしてしまった時よりも、上体をそらして我慢できる今は最後の抵抗ができているが、その抵抗も便意の前に屈しつつあった。

「あっ、ゆ、結希さん……ごめんなさい、時間かかっちゃって…………大丈夫ですか?」
「…………う、うん。今日はそんなに調子悪くないから……まだ大丈夫」
 個室から出てきた中等部の子と、先頭になったはるかの前の少女が言葉を交わす。二人は知り合いのようだった。ただ、はるかにとって重要だったのは二人の関係ではなく、結希と呼ばれた少女が話した内容だった。
(そんなに調子悪くないって……本当に? あんなにお腹痛そうだったのに……)
「…………っ…………」
  グピーーーピィーーーーーーギュルッ!! グギュルルルルルピーーーーーゴロロロッ!!
  ゴロッゴログルルルルルグピィーーーーーーーーーーーーーーーッ!! グピィィゴロロッ!!
 前の子のお腹からは今も苦しげな音が響いている。はるか自身のお腹の音と混ざっているがかなり激しい下痢であることは間違いない。可能性があるとしたら、はるかと同じように普段からひどい下痢体質で、これくらい我慢するのは慣れてしまっているとか……。
「その、みゆりちゃんは……大丈夫だったの?」
「は、はい…………すみません、西駅のトイレがすごく並んでてこっちにきちゃって……床は汚しちゃいましたけど、何とか間に合いました…………」
 はるかにも彼女の事情は理解できた。事前調査の際も、市街地にある西調布西駅は利用客が多く、学生がいない春休みでさえトイレには長蛇の行列ができていた。はるかも、もよおしてすぐ降りるならその駅だったところを敬遠してこの駅で途中下車していたのだ。
「じゃあすみません、お先に…………」
「うん。気をつけて……」
 みゆりと呼ばれたおかっぱ髪の少女はぺこりと頭を下げ、手を洗ってトイレから出ていった。

 行列には結希とはるかの二人が残された。後ろにも何人かの女性が並んでいるが、もうはるかの意識には目の前のトイレしか入らなくなっていた。
  ギュルルルルルルルルルギュルグピィーーーーーッ!! グギュゥゥゥゥゥギュリリギュロロロロッ!!
  グギュルルルルルルルルグギュルルルルルッ!! グギュルギュルゴロピィィィィグウーーーーーーーッ!! ゴロギュリリギュルーッ!!
「う…………あ………………」
 はるかの直腸に猛烈な勢いで下痢便が押し寄せる。肛門が熱くなる。漏らす直前の感覚。
(もうだめ、本当に漏れる…………漏れちゃう…………!!)
 頭の中が真っ白になり、過去に漏らした時の感覚が蘇る。忘れようとしても忘れられないあの日、観覧車の中で力尽きて漏らしてしまった瞬間。布地の少ない下着からあふれ出しながら肛門の周りを侵食していった下痢便の生温かさ。そして、漏らしたこと以上に辛かったその後の出来事――。
(だめ…………だめっ!!)
「あのっ!!」
「っ……?」
 はるかは限界ぎりぎりの我慢を続けながら前の少女に向けて呼びかけていた。
「お願い、先に入れてっ!! …………もう我慢できないのっ…………!!」
「え…………えっ…………!?」
 前の少女――北野結希は、はるかの必死の訴えを戸惑った顔で聞いていた。
(明翠の制服…………でも、知らない人だから……先輩? でも、私もお腹がもう…………)
 二人の間に沈黙が流れる。――正確には、言葉だけが沈黙し、二人のお腹の中では重苦しい音が鳴り響き、背後では個室の中からおしっこと水状便の音が響き続けていたが、二人の意識にはその音は入ってこなかった。

「お願い…………本当に漏れそうなの…………だから、お願い…………」
 はるかは目を閉じて呟くように訴えていた。体は強張ったまま上体を反らして必死に堪えている。
(この人、私に意地悪してるんじゃなくて、本当に…………)
 結希はその様子を見て、はるかが本当に下痢が我慢できないことを察した。自分の経験と照らしても間違いのないことだった。小学生の時に漏らしてしまったことを教室でからかわれてから、意地悪されることを極度に警戒している結希だったが、目の前で困っているはるかの表情に悪意は全く感じられなかった。結希も3年間の電車通学で混雑するトイレには慣れっこで、限界が近い時には順番を替わってもらったこともある。水下痢を我慢しているみゆりに頼んで順番を変わってもらったこともあるのだ。
(私は、もうちょっとなら大丈夫…………うん…………)
 結希は振り向いて、首を縦に振った。
「…………いいですよ。お先に、どうぞ……」
「…………あ……ありがとう……本当にありがとっ!!」
 はるかは涙を流しながら、水洗の音が流れている奥の個室に駆け寄った。

(早く、早く空いてっ!!)
  グピーグルルルルギュルルルルルグピィーーッ!! ゴロロギュリリギュリリッ!!
  ギュルルルルルルルグルルグルルルルルルルルピィィィィィィギュロロロロロッ!! ゴロッピィーーーピィーーッ!!
  グピーーーーーゴロロロロロログウーーーッ!! ゴロログルルグウーーーッ!
  ギュルギュルグギュルルッ! ゴロゴログギュルルルルルルルッ!! グピーーーーーーーーーーギュルピィーーーーーーーーーッ!!
 ガチャ………
(空いた……!!)
 水洗の音が消える前に扉が開き、はるかは出てきた大学生を弾き飛ばしそうな勢いで個室に飛び込んだ。個室の中はお世辞にも綺麗とは呼べず、前の大学生が飛び散らせたらしき黄色いおしっこの水しぶきだけでなく、その前に入っていた学生が下痢をして便器の縁や内側側面に大量に飛び散らせた茶色い液滴がそのまま残されていた。しかし、はるかにはもうそんな汚れは関係なく、白い便器の中に下痢便を注ぎ込むことしか考えられなくなっていた。
  ゴロゴロロゴロロロロロロロロギュルーーーーーーーーーーーッ!! ギュリリゴロゴロロロログギュルーーッ!
  ゴロッギュリリリリリリリリギュルグルルルルルルルルルルルルッ!! ギュルルルゴロギュルーッ!
  ゴログルルピィーゴログルルルルルルギュルルルルルルルルルルルルルルルルッ!! ゴロッピィギュルーーッ!
「ひっ…………!?」
 だが、個室に一歩踏み込んだ瞬間これまでにない強烈な便意が肛門に襲いかかり、お尻が少しずつ開いていく感覚が伝わってきた。もう本当に我慢できない。漏れるのが早いか、下着を下ろすのが早いか――。
(お願い、間に合って……!!)

「っくぅ…………」
 下半身を動かすことはもうできず、振り返って震える手で鍵をかける。
  グピィィギュルルルルルルゴロギュルーーッ!!
  ゴロッピィィギュルグルルルルルルルルルルルッ!! ギュルルギュルルグピィーーッ!!
  ゴロロロロロロロロロロロロロロロロギュルギュロロロロロロロッ!! ギュルルルルルルピィーーーーーピーーーーーゴロロロロッ!!
(あぁぁ…………)
 誰にも見られなくなった状況が我慢する精神力を失わせる。足の震えが痺れに変わり、寄せて押さえているお尻が開き始める。まだはるかは和式便器をまたいでいない。しかし足を踏み出せばその瞬間にお尻が開き漏らしてしまう。足を踏み出さなければ力尽きて漏らしてしまう。
(嫌だよ…………ここまで、我慢したのに…………!!)
  グピーーーーグルグルルッ!! ゴロロギュルギュルーッ!
  グギュルルルルルルギュルギュリリグピィーーーーーーーーーーーーッ!! グピィィィピィィィィピーーーグウーーーッ!!
  グピーーーグルルギュルルルルゴロピィーッ! グギュルルルルルギュルルルルルルルルグルルルルルルルルルルルギュルルルルルルルルギュリリッ!! ゴロギュリゴロロロッ!!
「あぁぁぁっ…………」
 直腸を駆け下った下痢便が肛門を開かせようとした瞬間、はるかは右手をスカートの中に差し入れて下着を下ろした。あの時よりはまだ布地が多く伸縮性が高い飾り気のないジュニアショーツを、膝上まで下ろす。

「――っ!!」
  ビチッブジュビュルルルルッ!!
 間一髪、お尻が空気にさらされた瞬間肛門が開き、茶色い液状便が飛び出した。ほぼ直立状態でやや後ろに噴出した液状便はぎりぎり扉の手前の床に落ちた。

「あっ、あぁっっ!!!」
  ビチィブリッビィィッ!! ビチビュリビチチチチッ!
  ブピピピピピピピピッブビィッ!! ブビーーッブビブピピッブジュルビチブジューッ!
 次々と液状の下痢便が溢れ出す。もう止められない。はるかは肛門から液状便を迸らせながら足を前に出し、崩れ落ちるように便器に座り込んだ。流れ出し続ける液状便が便器後方の床を叩き続け飛沫を飛び散らせ続けている。
「っくぅぅ……!」
  ブビィィィィィィィィィィィィィビチチッ!!
  ビチチチチチチチブビィィィィィィィィィィィビチャァッ!! ブバッ!
 左足を前に出した瞬間軌道が斜めに変わり便器の斜め後ろに汚物の池を作った。今度は右足を前に出すと、やっと下痢便の着地点が便器の縁を捉え始める。ただ、まだ便器の中には入っておらず白い陶器の盛り上がりを叩いて飛沫を飛び散らせていた。
(…………あと、あとちょっと……っ!!)
 はるかは最後の気力を振り絞って肛門を絞り、崩れ落ちるように便器にしゃがみ込んだ。

(間に合っ……た…………!!)
 はるかの全身の緊張が解ける。同時に感じる肛門のものすごい熱さ。排泄の勢いを調整する余力は残っていなかった。
 全く剛性のない流動物が、高い圧力とすさまじい流量で肛門を押し広げる。
「――――っ…………!!」
  ブバッブジューーーーーーーーーーーッ!! ビチャブビブジューーッブジュルルルルルルッ!
  ブジュルルルルルルルルルルルブバーーーーーッ!! ブビチビチチチチッ!! ブビィィィィィィィィィィィィビチーーーーーーーーーーッ!! ブジュブピビィーーッ!!
  ブバッブピブビビチャァァァァァァァァッ!! ビュルルルルルルルブビィィィィビチャァァァァァッ!! ブピピブジューーッブビィィッ!!
  ビチチチチチチチチチチチチブビーーッブビブビィィッ!! ビュブブブブブジュルーーッブババババババババビチビチビチビチッブジュルーーーーーッ!! ビュルルルルルルルルルルブジュルルルルルルルルルルルルビィッ!! ブジュブジューーッ!!
 全開。大きく開いた肛門に押し寄せる圧力をはるかは解放した。その瞬間、滝のように大量の液状便が便器の中に叩きつけられ、飛沫を撒き散らしながら便器の底を数秒のうちに茶色い池に変える。電車の中でトイレに行けない恐怖から過敏に活動した腸が生み出し続けた大量の液状下痢便を、はるかは本当に限界ぎりぎりまでこらえ続け、やっと便器の中に放出することができた。スカートが汚れないよう前の方に引っ張り、右手でお腹を擦り始める。お腹の痛みは意識が飛びそうなほど強くなっていた。

「はぁっ、はぁっ、うぅぅぅっ!!」
  ビチャブジュルルルルビチーーーーーーーッ!! ブビーーッブピビィーーーーーーッ!
  ビュルルルルルルルルブビビビビビビチチチチチチチチチッ!! ブビチチチチチチチチチチブビィィィィィィィビチーーーーーーーッ!!
  ブジュブビーーーッブピブジューーーーーーーッビィーーーーーーーーーーッ!! ビチャビチーーーーーーーービィィィィィィッ!!
  ビチャブビィィィィィィィィィィィィビチチチチチチチチチチチチブジューーーーーーーッ!! ブビチチチチチチブピピピピピピブジュルーーーーーーッビチーーーーーーーーーーーーーーーーッ!! ビチビチビチッ!
 息をつく間も与えないほどの激しい噴射が続く。電車の中でもよおした時から10分以上。経験がない人ならほんの10分と思うかもしれないが、はるかが我慢していたのはこらえるのが困難な僅かな隙間からでも漏れ出してしまう液状の下痢の便意だった。さらに、過敏性腸症候群の下痢は腸の動きをタガが外れたかのように加速させ、あっという間に便意が高まり急速に我慢できなくなっていく。その困難な我慢の限界をぎりぎりで見極め、最適な我慢姿勢を必死に維持し、最後には前に並んでいた面識のない少女に順番を替わってもらってまでして本当に漏らす寸前でたどり着いたトイレ。腸の奥から肛門までを埋め尽くしていた液状の下痢便を、はるかは一気に放出していた。20秒以上経っても肛門から茶色い濁流が吐き出され続けている。跳ね返った飛沫が便器の側面だけでなく便器の外まで汚していく。

「うぅぅぅぅ……んっ…………!!」
  ブビィィィッ! ビチブバブビィィィィッ!! ビュブブブブブブブブブブブブブビチチチチチチチブバーーッ!!
  ブジュブビーーーーーーッブジューーッ! ブバッブビーーーーーーーーーッビィィィィッ!! ブジューッブビィブバァァッ!!
  ブビチチチチチチチブビビビビビビブババババババビチャァァァァァァッ!! ブジュビチチビチブジューーッブビィィィィィィィィィィッ!!
  ビュブブブブブブブブブブブバーーーーーーーーーーッビチビチブビィィィッ!! ブビーーッブジューーーーッビチチチチチビチャァァァァッ!
(や、やだ…………臭いが…………ひどい、下痢のにおい…………)
 止まらない下痢。肛門を開いてから30秒にわたって途切れることなく液状便が噴き出し続けている。すでに大量の汚物が便器の中に吐き出され、便器の底が見えないほどに不透明な液状便が白い陶器の内部を埋め尽くしている。その未完成な汚物から放たれる強烈な悪臭が、はるかの嗅覚を攻撃する。あの時、大好きな人に吐き気をもよおさせた猛烈なにおい。密室でないことは幸いだったが、下痢便の性状はあの時よりも緩い。電車の中という、はるかが最もトイレに行けないことを意識してしまう一番苦手な状況が、過敏性腸症候群の症状を最重度まで引き上げていた。完全に下ったお腹が生み出した凄まじい悪臭が、はるかのいる個室だけでなくトイレ全体を包み始める。

「うぅっ…………あっ!!」
  ブジュビチィブビブジューーーーーーッ!! ブピッブビーッブビビビビビビィィィィッ!
  ブジュブジュブジュブーーーーーーーーーーーッ!!
  ブピッブビビビビブーーーーーーーーーッ!! ブビビブーーッブビブブブーーーーーーーーーッ!!
 液状便の噴出が途切れるとともにものすごい大音量のおならが響き渡った。全開にしていた肛門が震えて耳をふさぎたくなるような汚い音を立てる。一瞬トイレの中が静かになるほどの音に、はるかは青ざめていた顔を真っ赤にした。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ………っ…………っぅぅ……………」
  ブビッ…………ブジュブジュ…………ブーッ…………ブビビッ…………!!
  ブピピピピッブピッ……!! ブボッ……!! ブビビブーーーーーーーッ!!…………… ブピブプププッ……!!
 はるかは慌てて肛門を締めながら息を整えた。少量の液体を伴うおならが断続的に飛び出していく。気が狂いそうな便意から解放されると、それに覆い隠されていた別の感覚が押し寄せてくる。
 腹痛。締め付けるような痛みがまだ続いている。完全に下りきったお腹の中にはまだ大量の下痢便が残っていて直腸に向けて流れ込もうとしている。
 羞恥。順番を抜かしてまで個室に入れてもらったこと、便器の外を汚してしまったこと、凄まじい音を立てて下痢便を大量に出してしまったこと。強烈な匂いを個室の外まで振りまいていること。さらに轟音のおならを響き渡らせてしまったこと。普通の女の子ならやらないような恥ずかしい失態を繰り返してしまった。
 焦燥。順番を譲ってもらった少女はまだ個室に入れていない。もし彼女が漏らしてしまったら二度と彼女に顔向けできないだろう。これから学校で何度も顔を合わせるかも知れないのに。しかし、はるか自身が個室を明け渡すことはまだまだできる気がしない。他の個室が早く空くことを祈るしかない。
 そして、安堵。漏らしてしまうことを、下着の中がぐちゃぐちゃに汚れる感覚を、周りの人に軽蔑されたり哀れまれたりする未来を回避することができた、何よりの喜び。もう漏らすかどうかわからないぎりぎりの我慢をしなくてもいいという安心感。トイレの便器にしゃがんでいれば、荒れ狂ったお腹の中身を吐き出しても大丈夫というありがたさ。

 ガチャ…………
「うぅっ、もうだめっ…………!!」
(……さっきの子…………?)
 隣の個室、入口から見て手前の個室に誰かが駆け込んだ。可愛らしい声はさっき聞いた少女のものだった。
(あの子も、お腹壊して…………)
 慌ただしい足音と衣擦れの音のすぐ後、はるかが想像した通りの音が響いた。
「うぅぅぅ!!」
  ビチビチビチブピッビチャァァァッ! ビュルビチチチチブビブジューーッ!!
  ブジュブバババババババビチチチチチチチチチブジュルーーーーーーーーーーーーッ!! ビュブブブブブビィィッ!! ブジュビィィッ!
  ビュルブジュルルルブピーーッビィィッ! ブジュブバーッブバーッビチチチチチチチチチチチチッ!! ブビチチビィーーーーッ!!
 完全に液状化した下痢便が便器に叩きつけられる音。はるかが数十秒前に立てていた音を繰り返すかのように、隣室の少女も小さな体から激しい排泄音を大音量で奏でていた。

「はぁっ、はぁっ…………っ!!」
  ビチャビチブピビィーーッ!! ビチビチビチビチィィブバッブジューッ!
  ビチャブジューーーーッブジュルーーーーーーーーーッ!! ビュブブブブブブジュルーッビチィィビィーーーーーーッ!!
  ブバッブピーーーーーッブビィィィィィビィィィィィィッ!! ビチャブピーーッブピピビチーーーーーッ!! ブビチチチチチブジュルルルブピピピピブビビビビビブバーーーーーッ!!
(ま、間に合ったんだよね………)
 あまりに激しい無秩序な音であったが、少女の泣き声は聞こえてこない。きっと間に合ったのであろうと、はるかはお腹をさすりながらほっと息をついた。

  ゴロゴロギュルーーーーーッ!! グギュゥゥギュルグギュルーーッ!!
  グギュルルルゴロロロロロロロロゴロロロロピーーーーーーーーーーピィィィィィィィィィゴロロロロロロロロロロッ!! ギュルルルグルルルグギュルーッ!
「っ!!」
 一瞬気を抜いたはるかの下腹部を激痛が貫いた。血の気が引くような感覚。体中の水分が下腹部に引き寄せられていく。
(やだ、これ…………ほんとに、お腹、壊して…………!!)
 はるかが感じた「お腹を壊した」感覚。どろどろの下痢便や今まで出していた液状便は、はるかにとっては日常の状態に過ぎなかった。それより一層ひどい下痢が、彼女にとっての「お腹を壊した」状態である。

「あっ…………!!」
(お腹痛い…………出るっ…………!!)
  ブシャビィィィィィィィィィィィビシャーーーーーーーーッ!! ビィィィィィーーッブシャブビュブジュブジューッ!
  ブシャビチャブビューーーーーーーーーーッ!! ビシャブシャーーーーーーーーーーーッ!! ジャーーーーーーーーーーーッ!!
  ブジャーーッビュルーーーッ! ブパッブシャァァァァァジャアアアアアアッ!! ビチィーーーーーーーッビュルルルルルルルルルルルルッ!!
  ビシャビシャビシャビチィーーーーーーーッ!! ブピッジャーーーービューーーーーーブジュビィーーッ!! ビシャビシャビュルルルルルルルッジャーーーーーーーーーッ!!
  ブジューーーーーーーーブジュブジュブジュグジュブピィィィ!! ブププビピーーーブジュルルルルーーーッ!! ブビッブビビビビビブブブブーーーーーーーーッ!! 
 直腸が熱くなった次の瞬間には肛門が開いていた。中から吐き出されるのは、ほとんどが水分そのものの水下痢。水道の蛇口を全開にしたような噴射。便器の中に溜まっていた、ほんの僅かだけ粘性のある液状便が、叩きつけられた水便に押し退けられてクレーターのように広がる。汚水の色は先程までの茶色ではなく黄色みを増していた。
 大量の水便が途切れた直後、肛門で腸内で泡立った気体が弾け、爆発的なおならの音を吐き出した。さっきまで液状便の合間に出していた音よりも数段汚く大きい音だった。薄い水便の膜が膨らみ肛門に風船のような泡を形作る。

「うぅ…………お腹痛いっ…………くぅっ!!」
  ジャーーーーーーーーーーーーッビュビシャーーーーーーーーッビィーーーーーッビシャーーーーッ!! ブパッブシャァァビィーーッ!!
  ブジャッビュルビシャアアアアアアアアッ!! ブシャブシャーーッブシャーーーーーーーッビュルッ!!
  ビシャビシャビュルビュルビシャーッブシャーーッ!! ビュッビシャーッビシャーーービチィィィィィビチィーーーーーッ!!
  ビュビチャビシャーッ!! ビュルッビューーッビチィィィィィブジュビューーーーーーーーーブシャーーーーーーーーーッビュルーーーーーーッ!! ブシャッビシャァァァァブシャーーーーッ!!
 水便が途切れてまだ便器の中の大半を占めている液状便が中心に戻って来るより早く、肛門に浮かんだ泡を吹き飛ばして新たな黄土色の水流が便器の中に注ぎ込まれる。黄土色と茶色の飛沫が便器の中から外まで激しく飛び散り、陶器とタイルと靴を汚していく。勢いを調節することは全くできていなかった。腹痛は一層激しくなり、はるかはお腹を両手で抱え込んだ。前かがみになると同時に水便の射角が後方に移動する。

「うぅぅぅぅぅっ!!」
  ビュルッジャーーーーーブシャァァァァァビシャーーーーーッ!! ビュッビシャーーーーーーーーーーービィーーーーッ!!
  ブシャッブシャァァブシャーーッブシャーーーーーーーーーーッ!! ブジャッビィィィィビシャーーーーーーッ!!
  ビュッビュービュルルルビシャビチィーーーッ!! ブシャジャーービシャーーーーーーーーージャーーーーーーーーーーブシャーーーーーーーッ!! ビュビュービュビューーーージャアアッ!!
  ブパッビィィィィィビチィィィィィィィィィィィィビシャーーーーーーーーーーーーブシャーーーーーーーーッ!! ビュビシャビチィーーッジャアッ!!
  ジャーーーーーッブジュルルルルルルブビビブビッブビビイビビビブーーーーーーーーーッ!!!
 便器の後ろ縁をかすめながらはるかが水便を吐き出す。液状便で汚れていた陶器が水状便で「洗われ」ていく。流れ落ちていなかった液状便と異なり、粘性のない水便は液状便を吹き飛ばした後すぐに流れ落ちていった。噴出が途切れるとすぐさま鳴り響くおならの爆裂音。青ざめた表情の中で頬だけが赤く染まっていた。

「うぅぅ…………っ…………んっ…………!!」
  ブピッビュジャーーーーーーーーーーーーーーッ!! ブシャッジャアアアッ!!
  ビュルッブシャァビシャァァァァァァァァァビシャァァァァァァァビュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!! ビュブシャァァァァァァァァブシャーーーーッ!!
 中央の個室ではるかの肛門からひっきりなしに鳴り響く濁りきった水音。
「はぁっ…………はぁっ…………うんっ…………!!」
  グギュルルギュルルルグピィーーーッ!! ゴロッギュルグウーーーーーーッ!!
  ブバッビチィィィィィィィブバァァァァッ!! ブバッブビーッビチーブバァァァァァァッ!! ブビチチチブババブビビチャァァァッ!
  ビチビチビチビチブジューーーーーーーーーーーーーーーッブビィィッ!! ビュブブブブブビチビチチチチチチチビチャァァァァッ!!
 手前の個室で結希が噴射する腹鳴りと液状便の不協和音。
「っ………………!! ん………………ぅ…………!!」
  シャーーーーーーーーーーーーッビュルルルルルルブシャッ!! ビュルッビィィィィィィィィビュルーーーーーーッ!!ブシャーーーッビシャビュルルルルルッ!!
  ビュッジャーーーーーーーーーービチャビチャジャーーーーーッ!! ブシャビィーーッブシャーーーーーーッブビューーッ!! ブシャビュルルルルルビィーーーッ!!
 奥の個室からは他の二人より早く駆け込んだ女性が出し続ける、全く勢いの衰えない水音。空気の交じる余地さえない完全な水が便器に注ぎ込まれ続けている。

 3つの個室はお腹を壊した女性たちが生み出す下痢便に埋め尽くされていた。常に誰かの肛門から下りきった汚物が吐き出され、途切れることなく汚らしい音が響き続けていた。破裂音とともに噴射が途切れると、別の個室からまた濁った水音が響き始める。
 終わる気配すらない下痢に苦しむ3人。その様子は個室の外からでも容易に想像できてしまい、待つのを諦めて列を離れる人も出始めていた。

(ど、どうしよう…………止まらないっ…………!!)
  ビシャビシャビチィィィィビィーーッ!! ブパッビュルーーーーーーーーーーーーーーーーッビチィーーーーーーーーーーーーーッビシャーーーーーーーッ!! ブピッビィィッ!
  ブジャッビィィィィィィィィィビィーーーーーーーーーーーッジャアアアッ!! ビシャビシャーーーーーーーービシャーーーーーーーーーーッビシャーッ!!
  ブパッジャァァァァァァァァァブシャァァァァァァァァァァァビチィィィィィィィィィィィィジャーーーーーーーッ!! ビュッビュルビュルーーーーーーッ!!
  ブジャッジャーーーービチィィビュルビュルビシャアアアアアアアアアアアアッ!! ブシャッブシャァァァァビチィーーーーッブシャーーーッ!!
 はるかはお腹を必死に擦りながら水便を出し続けていた。完全にお腹を壊していた。新しい学校に通う緊張のためか朝からお腹の具合が悪く、普段は起きてすぐトイレに駆け込んで下痢便を出すだけだったが、今日は電車に乗る前にも駅のトイレに駆け込んでおり、その時すでに便は液状になっていた。そこに電車に乗ったことで過敏性腸症候群による激しい下痢が始まり、限界我慢で過去に漏らしたトラウマを刺激されたことで一層激しく下してしまった。個室に駆け込んでから5分が経過し、下痢でも早ければもう個室を出ている時間、遅くともそろそろお尻を拭き始める時間のはずなのに、水便が止まらず肛門を拭くどころか締めることすらできない状態だった。

  コンコンッ。
「!!」
「あの、まだですかっ…………」
 舌足らずな高い声が響く。はるかの2つ後ろに並んでいた中学生が、我慢できなくなって個室をノックしているのだった。叩かれた個室は、一番最初から入っていた奥の個室だった。
「………………ご、ごめんなさい…………まだ、…………だめ…………です…………!!」
  ビュルッビュルルルルルルルルルルルルビィーーーーーーッ!! ブジャッビチャビュルーーーッビィーッ!!
  ビュビィィビュルルルルルルルルッ!! ブシャッビシャジャァァジャーッ!
  ビュルッビシャァァァァァブシャァァビシャーーーーーーーーーッビューーーーーーーーージャーーーーーーーーーーッ!! ビュッジャァァァァジャーーーージャーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
 個室の中から消え入るような声が聞こえたが、それをかき消すかのような水状便の音がすぐに響き始めた。彼女が嘘をついていないことは客観的に明らかだった。

  コンコンッ!!
「あっ…………」
「あの、まだですか、早くっ…………!!」
 次ははるかの個室がノックされた。さっきより大きい音は、切迫している証かもしれない。
(も、もう出なきゃ…………でも…………まだ…………)
「………………お願いです、早くっ…………」
「も、もうちょっとだけ待って、すぐ出るから…………!!」
 はるかは意を決して彼女に呼びかけ、足を少しだけ前ににじり寄らせた。痛むお腹をさすりながら、ぐっと力を入れる。視界が真っ白になりそうな痛みが脳内を満たす。ぎりぎりで意識を保ちお腹に力を入れ続けて5秒。肛門の内側に熱い水流が押し寄せた。
「っ!!」
  ブシャビィィィィィィィィィィィィブシャーーッ!! ビュルーーーーーーーーーーーーーーーーーッビチィィィィィィィィィィィィィィィィジャーーーーーッ!!
  ビュッビシャビュルビュルーーーーーーーーーーッ!! ビュルッビィィィィビュルーーーッ!!
  ビュッビシャビチィーーーーーーーッ!! ブジャッジャーービシャビシャーーーーッ!!
  ブジャッジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!! ブパッビチィィィィィィィィジャアアアアッ!!
  ビュビューーーーーーーーーーーージャァァァァァァァァァァァビィィィィッ!! ブピッビシャァジャァァァァァァブシャァァァァァァァァァァァビチィィィィィィィィィィィィビィーーーーーーーーーーーーッ!!
  ブシャッビィィィィビュルジャアアアアアアアアアアッ!! ブシャビュルルビチィィィィィィィィィビシャブビューーッ!!
  ブビビビビビブビッッブビビビビビブーーーーーーーッ!! ブジュブジュブジュグジュグジュグジュグブビビビビビビビッ!! ブピブピピピブーーーーーーーーーッブビーーーーーーーーーッ!!
 大量の汚水が、全開になった肛門からものすごい勢いで放射される。便器の中はすでに茶色でなく黄土色で埋め尽くされていた。20秒にも及ぶ猛烈な噴射の後、肛門から飛沫を飛び散らせながら恥ずかしいおならの音が響き渡った。

  ギュル……ギュルピィーー…………ギュロロロッ!! グピィーッ…………!
「はぁっ…………はぁっ…………!!」
 はるかは、まだ鈍く痛むものの差し込みからは解放されたお腹をさすって数回息をつくと、すぐ後始末に取り掛かった。個室の外からは足踏みする音が聞こえている。
 急いで紙を巻き取ってお尻を拭く。肛門の皺にまで染み込んだ水便が紙を一瞬で黄土色に染める。ぎりぎり下着は汚さなかったものの、脱いだ瞬間にお尻を締めたまま出てしまった液状便は、寄せていたお尻の表面をべっとりと汚していた。紙にたっぷりと茶色い液体が付着し、紙越しに湿り気が伝わってくる。お尻を拭くだけで5回紙を巻き取らなければならなかった。

「……う……わっ……」
(こ、こんなに汚しちゃってたの……!?)
 ようやく下着を上げたはるかはこの時初めて後ろを振り向き、愕然とした。かなりの量を便器の外に出してしまっていた。
 扉の手前に直径10cmほどの液状便の痕跡。そこから連続的に便器に向かって液状便が流れるように近づき、ところどころに膨らんだように直径5cmから10cmの水たまりができている。液状便の軌道は急激に曲がって便器の左後ろに伸び、そこにも直径10cmの水たまりを作ってまた斜めに軌道を引き戻して便器の最後部に達していた。大量に紙を巻き取り、便器に近づけるように液状便を拭き取っていく。4回拭いて、大きな水たまりを拭いきった時、再度個室の扉が激しく叩かれた。
「あの、あのっ、早く、早くしてくださいっ!!」
「あ、ご、ごめんっ……いま出ますっ!!」
(うぅ…………まだ、綺麗になってないけど…………)
 はるかは床に残った液状便の筋を見下ろしながら、後始末を切り上げることを決断した。綺麗にしてから個室を明け渡したいが、あと数分この作業を続けていたら外の少女にはこの便器が必要なくなってしまうかもしれない。
 便器の中には大量に使った紙が押し込まれていたが、すでにはるかが注ぎ込んだ水状便を吸い込んで黄色く染まっていた。それだけ吸い上げられてもなお、便器の底には黄土色の水状便が波打っており、混ざりあった液状便もそのままになっていた。便器の側面や縁を掃除する時間はない。
「……………………」
 はるかは顔を赤らめながら、水洗の水を流して個室のドアを開けた。
「――――っ!!」
 はるかがそうしたように、外で待っていた中学生の少女が飛び込んでくる。明翠学園中等部の制服を着ていたがまだぶかぶかの大きさで、体は列の先頭に並んでいた少女よりも小さく、顔立ちも幼くほとんど小学生にしか見えない様子だった。スカートの股間を押さえて震えながら飛び込んできて、扉を締めて数秒後には便器を削りそうな勢いの激しい放尿音が響き始めた。

(…………間に合った……よね…………)
 はるかは少し個室の中を気にしながら手を洗う。その間に、手前の個室の扉も開きはるかと同じ制服の少女が恥ずかしげに出てきた。はるかより15cmほど低い身長で、黒髪を二房横結びにしたあどけない表情は、小学生とまでは言わないが高校生には見えず、中学生くらいの幼さに見えた。
(お礼、言わなきゃ)
 はるかは社会的生命の恩人に感謝し、勇気を出して声をかけた。
「あの…………順番、譲ってくれてありがとう…………本当に危なかったの」
 手を洗い始めた少女――結希は少し見上げるようにはるかの方を見ると、はにかんで答えた。
「ど、どういたしまして……。…………あの、すみません、お名前覚えてなくて…………えっと」
「えっ…………あ、ごめん。私、編入生なんだ。3月まで……晶英学園にいて、今日から1年生」
「え、そ、そうだったんですか……? あの、ごめんなさい、てっきり上級生だと……」
 見上げるように話す少女が意外そうな顔で答えた。
「ごめんね、気を遣わせちゃったかも……私、宮城はるか。これからよろしくね」
「は、はいっ。私、北野結希です…………よろしくお願いします」
「あっ、別に敬語じゃなくていいよ。はるかって呼んで」
「はい…………あっ、う、うん。はるかちゃん」
「ありがと。結希ちゃんって呼んでいい?」
「あ……うん」
 念入りに手を洗い終えた二人はトイレを後にする。一番奥の個室は結局まだ空かず、扉が閉じてから8分が経過してもまだ絶え間ない水音が響き続けていた。
 はるかと結希は、さっきはるかが駆け上がってきた階段をゆっくりと降り、ホームで電車を待った。快速電車の発車ベルが響いていて、急げば扉が閉まる前に間に合いそうだったが、二人のどちらも足を早めようとはせずその電車を見送った。次の各駅停車が来るのは5分後だった。
「あ、ちょっと待って…………………………結希ちゃん、さっきのお礼。よかったらこれ飲んで」
 はるかは自動販売機でスポーツドリンクを2本購入し、一つを結希に手渡した。
「えっ、あ、あの…………」
「喉乾いちゃったでしょ? 脱水とかになると大変だから、嫌いじゃなかったらどうぞ」
「……う、うん……ありがと……。……………………」
 結希はペットボトルの冷たい感触を感じながら、蓋を開けて口をつけた。

 明翠学園に向かう電車がホームに滑り込んでくる。
 結希は人見知りな性格だったが、一人で知らない環境に飛び込んでくるはるかの力になりたいと思い、電車を待つ間に授業のこと、友達のこと、部活動や音楽のことを話していった。教室でからかわれた記憶や排泄を見られた記憶があるため男子とは未だにまともに話せない結希だったが、中学に入ってから親身に接してくれる七海を通じて友達も増えており、やや緊張したもののはるかとは穏やかに会話することができた。
 温かい結希の気持ちを受けて、後悔と不安で埋め尽くされていたはるかの心に、新しい日々への希望が少しずつ芽生えていった。
「……いろいろ教えてくれてありがと。行こう、結希ちゃん」
「うんっ……」
 電車の扉が開く。
 それは、はるかの心と体を不安と焦燥に閉じ込める扉ではなく、まだ遠い未来へと少しずつ歩んでいく道の、小さな希望の扉だった。


 …………
 ……………………
 ………………………………

「………ご、ごめん結希ちゃん、私次で降りるっ! トイレ寄ってからいくから、先に行ってて!」
「あ、あのっ……ごめんなさい、私もトイレ……お腹、冷えちゃったみたいで……!!」
「じゃ、じゃあ最後尾の車両に行こう、そしたらエスカレーターで上ってすぐトイレだから!」
「は、はるかちゃん今日初めてなのになんでそんなに詳しいの……?」
 …………各駅停車の道のりは、まだ長く遠いけれど。
 

ぴーぴーMate Episode 2 「閉ざされた扉の先に」 Fine.
To be continued...



キャラクター紹介

宮城 はるか(みやぎ はるか)

「……………………過敏性腸症候群って、知ってる?」



15歳 明翠学園高等部1年3組
身長:158.5cm 体重:44.2kg 3サイズ:73-53-78

―――――
基本設定
 明翠学園に高等部から編入してきた、長い髪を茶色に染めた優しげな雰囲気の少女。

―――――
外見・服装設定
 身長は平均より高いが細身な体型。胸も小さくAカップ程度である。
 髪を染めていたり、ネクタイを緩めて制服を着崩したり等で派手目な格好が多いが、学校を変えるにあたって少し無理をしてイメージを作ろうとしている面もある。

―――――
内面・能力設定
 服装や髪の色などは派手目だが、優しげな顔立ちの通り性格は優しく真面目。事情があってやや人付き合いを避けているが、もともとは繊細で寂しがりな性格である。辛いことや苦しいことがあるとすぐ泣いてしまう泣き虫な一面もある。実は頭を撫でられるのが好き。
 真面目で勉強熱心な性格で、頭の回転も速く記憶力も良い。特に空間認識力が高く地図を覚えるのが得意。
 編入後は吹奏楽部に入り、レベルの高い明翠学園の吹奏楽部でも見劣りしない実力を発揮している。

―――――
排泄設定
下痢便(-80) 過敏性腸症候群 大量排泄 腹痛悪化 激臭排泄 消化不良(重度) 便質軟化 限界予測 長引きおもらし 後ろ反り我慢
 小学生時代から重度の下痢型過敏性腸症候群を患っており、トイレに行けない状況になると急激に便意が強まる下痢になってしまう。特に電車や車に乗ると確実に激しい下痢に襲われる。通学電車での下痢は文字通り毎日のことで、我慢できず途中下車するのも日常茶飯事。途中の駅のトイレの場所を全て覚えているほどである。授業中や試験中も、電車の中ほどではないが下痢になることがある。あまりに下痢がひどいため中学1年の時に病院を受診し過敏性腸症候群の診断を受けたが、食生活の改善や投薬でも治らず、恥ずかしくて誰にも相談できず一人で悩み続けている。本当は信頼できる人に悩みを聞いてほしいと思っている。
 毎日のように下痢と限界までの我慢を繰り返しているため、「我慢するのは得意」と言うほどに我慢慣れしてしまっている。そのため、便意の高まり方と肛門にかかる圧力の具合から、あと何分我慢できるかを1分単位で正確に予測できるという嬉しくない特技を身につけてしまっている。普段はこのおかげで先んじて途中下車してトイレに向かったり、授業中に早めに手を挙げてトイレに行ったりすることができるが、アクシデントで電車が止まったりすると、我慢できないとわかっていながら絶望的な我慢を続けるしかなく、力尽きてお漏らしに至ることも多い。電車の中で立った状態で我慢することが多いため、立ったまま片足をわずかに引いて後ろに体を反らすような姿勢でお尻を締めて肛門が膨らむのを防ぎ我慢する姿勢をとることが多い。ただしお腹の痛みがひどく前かがみになってしまうこともあり、そうすると我慢しにくくなって漏らしてしまうこともある。
 排便の量は毎回かなり多く下痢便が和式便器一面に広がるほど。その日の体調によって便がゆるくなることがあり、黄色っぽい液状便や水状便になってしまうこともある。ただいずれの場合でも臭いはかなり強烈である。脂っこいものなど消化の悪いものを食べると頻繁にトイレに駆け込んで水状便を出しまくるほどの猛烈な下痢になってしまい、翌日まで具合が悪い状態が続く。
 中学3年生の時に、幼なじみだった恋人の翔太と観覧車に乗っている時に過敏性腸症候群で激しい下痢になり、観覧車がトラブルで停止したために我慢できなくなり大量の下痢便を漏らしてしまった。漏らしたことは咎められなかったものの猛烈な悪臭で翔太が嘔吐してしまい最悪の結果となってしまう。以後二人は話をすることもできずそのまま別れ、はるかは辛い思い出から距離を置くために転校することを決意した。

当日排泄記録
1回目 06:16:22-06:22:16 5m54s 起床時 自宅トイレ(洋式) 下痢便 521g
2回目 06:55:10-06:58:42 3m32s 通学中 西府中駅改札内女子トイレ(和式) 液状便 210g
3回目 07:14:15-07:20:27 6m12s 通学中 西調布東駅改札内女子トイレ(和式) 水状便 便器外82+455g
4回目 07:38:16-07:43:22 5m6s 通学中 つつじヶ丘駅改札内トイレ(和式) 水状便 338g
5回目 08:15:32-08:20:55 5m23s 登校後 明翠学園高等部1階女子トイレ(和式) 水状便 435g
6回目 10:42:15-10:49:22 7m7s 入学式後 明翠学園体育館女子トイレ(和式) 水状便 便器外95+456g
7回目 12:01:22-12:05:12 3m50s 帰宅中 明翠学園前駅改札内女子トイレ(和式) 水状便 402g
8回目 12:20:22-12:25:25 5m3s 帰宅中 西調布東駅改札内女子トイレ(和式) 水状便 415g
9回目 12:45:16-12:55:26 10m10s 帰宅中 武蔵野台駅改札内女子トイレ(和式) 水状便 便器外103+535g
10回目 13:15:22-13:22:30 7m8s 帰宅中 自宅前スーパーマーケット女子トイレ(和式) 水状便 554g
11回目 16:12:22-16:20:32 8m10s 帰宅後 自宅トイレ(洋式) 水状便 455g
12回目 18:55:21-19:02:12 6m51s 夕食前 自宅トイレ(洋式) 液状便 488g
13回目 22:33:12-22:41:22 8m10s 入浴後 自宅トイレ(洋式) 液状便 552g






サブキャラクター設定

北野結希 (きたの ゆき)
「はぁっ、はぁっ………………どうしよう、またお腹冷えちゃう…………」
15歳 明翠学園高等部1年3組
身長:144.2cm 体重:38.6kg 3サイズ:70-51-72 髪型:黒髪横結び
ぴーぴー属性:液状便(-85) 大量排泄 冷え冷え(重度) 神経性下痢(重度) おもらし体質(軽度) 腹痛悪化 不運(すべて) 不幸中の幸い
 芸術科目に力を入れる私立高校の明翠学園に通う高校1年生。本格的にピアノを習っており、有名な先生に指導を受けるために毎週土曜日に都内まで電車で通っている。小学生時代にピアノの発表会の演奏中に下痢が我慢できなくなりトイレに駆け込もうとして楽屋の廊下で漏らしてしまい、そのことを意地悪な同級生に言いふらされたことで一時は学校に通えなくなったが、中学から私立の明翠学園に入り大坪七海らの友人にも恵まれたことで楽しく学校生活を送っている。漏らしたことを男子にからかわれたことや、早退する途中で野外排泄しているところを中学生の男子に見られたことがトラウマになっていて男子と話すのは苦手。
 年齢に比べて小柄で幼げな体型。髪は横結びでピンクのゴムで止めている。胸はようやくわずかな膨らみが見え始めたくらいで同級生に比べるとまだまだ小さい。服装は清潔感のある整った服装を好み、制服でも白の靴下を身につけている。冬場は本当はタイツを穿いて寒さに備えたいのだが、以前通学路で漏らしてタイツをぐちゃぐちゃにしてしまった下半身の感触がトラウマになって穿くことができず、寒さを我慢しながら通学している。少しでもお腹を冷やさないようにパンツは子供用の厚手のものを愛用している。
 小学生時代から飛び抜けた実力であったピアノは指導者にも恵まれてさらに上達しており、プロのピアニストを目指せるとの評価を受けている。ただ、相変わらず緊張に弱く、以前漏らしてしまった記憶がフラッシュバックすることもあり、発表会では毎回ひどい下痢と戦いながらの演奏になりまだその実力を出し切れていない。
 お腹の弱さは相変わらずで、お腹を冷やすと激しい腹痛を伴うひどい下痢になってしまう。電車通学になったため車内の冷房でお腹を冷やしてしまうことも多い。弱冷車を選んで乗っているが、直前までトイレに入っていて慌てて普通の車両に飛び乗ってしまうこともある。休日はピアノのレッスンに都内に行くため長時間の乗車となり、途中でトイレに駆け込むことも少なくない。運の悪さも変わっておらず、トイレに行きたい時に限って電車が緊急停車してしまったりせっかく途中下車したのにトイレが大混雑していたりすることも多い。
 自分がいつも下痢でつらい思いをしているため、お腹を壊して困っている女子には親切にしようという思いがあり、トイレの順番を譲ってあげることもある。もっとも、譲った回数の数倍譲ってもらった回数の方が多いのだが。

当日排泄記録
1回目 07:05:00-07:12:03 7m3s 起床時 自宅2Fトイレ(洋式) 液状便 632g
2回目 07:15:06-07:21:31 6m25s 通学中 西調布東駅改札内女子トイレ(和式) 液状便 便器外42+553g
3回目 07:35:36-07:44:22 8m46s 通学中 つつじヶ丘駅改札内トイレ(和式) 水状便 便器外50+685g
4回目 08:25:32-08:28:55 3m23s 登校後 明翠学園高等部1階女子トイレ(和式) 水状便 336g
5回目 08:52:22-08:57:12 4m50s 登校後 明翠学園高等部1階女子トイレ(和式) 水状便 485g
6回目 10:05:22-10:10:51 5m29s 入学式中 明翠学園体育館女子トイレ(和式) 水状便 ちびり10+便器外231+388g
7回目 10:43:32-10:48:54 5m22s 入学式後 明翠学園体育館女子トイレ(和式) 水状便 441g
8回目 12:01:22-12:08:42 7m20s 帰宅中 明翠学園前駅改札内女子トイレ(和式) 水状便 552g
9回目 12:25:25-12:31:12 5m47s 帰宅中 西調布東駅改札内女子トイレ(和式) 水状便 602g
10回目 13:10:22-13:16:26 6m4s 帰宅後 自宅1Fトイレ(洋式) 水状便 ちびり22+485g
11回目 14:45:12-14:52:15 7m3s 帰宅後 自宅トイレ(洋式) 水状便 465g
12回目 16:12:55-16:17:51 4m56s 休息中 自宅トイレ(洋式) 水状便 515g
13回目 18:16:33-18:23:16 6m43s 夕食前 自宅トイレ(洋式) 液状便 482g
14回目 21:22:23-21:30:21 7m58s 入浴前 自宅トイレ(洋式) 液状便 525g



雪ヶ谷 みゆり (ゆきがや みゆり)
「……あ、あの……汚しちゃってごめんなさい、すぐ片付けますっ…………」
13歳 明翠学園中等部2年1組
身長:135.6cm 体重:32.2kg 3サイズ:62-46-66 髪型:黒髪おかっぱ
ぴーぴー属性:水状便(-100) 超大量排泄 神経性下痢(重度) 食あたり(重度) 脱ぎかけ排泄 我慢強い 腹音 下痢風船
 武家の格式を持つ名家の娘。平均よりも小柄で、髪をおかっぱに切りそろえた日本人形のような外見。口数の少ないおとなしい性格。幼少期には琴や三味線などの和楽器を習っていたが、小学生になってからピアノに興味を持って習うようになった。ピアノの上手な結希に憧れており、同じ中学に入ってからはピアノ教室も同じになり仲良くしている。
 もともとお腹が弱く毎日水状の便を出している上に、緊張すると大幅に下痢が悪化してお腹がぎゅるぎゅると大きな音を立ててしまう。我慢強いため漏らすことは少ないが、限界まで我慢してトイレに駆け込むためしゃがむ途中で出てしまい大量の水状便で個室中を汚してしまうことが多い。大量の水状便を出した後に肛門で水便が風船のように膨らんで弾けることを何度も繰り返す。胃腸が繊細で食あたりしやすく、生の食べ物を食べると何度も大量の水便を排泄して苦しむことになる。中学から電車通学になり、最寄り駅のトイレが利用客が多く混みやすいため隣の駅まで1駅乗ってトイレに駆け込むこともある。

・中央の個室から出てきた中学生
相澤 ゆかな(あいざわ ゆかな)
「あ、相澤ゆかなです、は、はじめ、まして……ううっ……」
13歳 144.7cm 36.8kg 62-48-70 栗色髪セミロング
晶英学園中等部2年3組
服装:水色リボン付き紺色ブレザー、プリーツスカート、白コットンパンツ、紺ハイソックス、黒ローファー
ぴーぴー属性:水状便(-90) 神経性下痢(重度) 大量排泄 便意再発 ちびり体質 腹痛悪化
06:55:22 - 07:08:55 13m33s 水状便(茶色)ちびり30+582g
 お腹が弱い女子中学生。胃腸が繊細で環境の変化に弱く、クラス替えなど新しい環境では慣れるまでひどい下痢が続き、トイレから出ようとしてもまた便意が再発して長時間こもってしまうことが多い。

・奥の個室から出てきた高校生
島森 彩海(しまもり あやみ)
「うぅっ……朝飲んだ牛乳、傷んでたかも……」
17歳 155.0cm 52.6kg 75-56-84 茶髪ショート
明翠学園高等部3年1組 美術部
服装:緑色ブレザー、灰色プリーツスカート、水色ジュニアショーツ、白ハイソックス、黒ローファー
ぴーぴー属性:食あたり(重度) 渋り腹
07:06:09-07:08:23 2m14s 尿(透明) 435ml
 胸が小さいことを気にしていて牛乳をたくさん飲むためトイレが近く尿量が多い。時々古い牛乳でお腹を壊してトイレから離れられなくなることがある。

・2番目に並んでいて奥の個室に入った大学生
進藤 いぶき(しんどう いぶき)
「すみません、お手洗いに行ってまいります……」
20歳 160.2cm 48.8kg 76-57-80 紫髪ロング
青百合女子大学文学部国文学科2年
服装:白ブラウス、ピンクロングスカート、ピンクショーツ、白ショートソックス、白キャンバスシューズ
ぴーぴー属性:神経性下痢(軽度) ちびり体質 頻繁排泄
07:08:23-07:09:45 1m34s 尿(淡黄色)便器外54+258ml
 お嬢様大学に通うおしとやかな印象の女子学生。和式トイレに慣れておらず股を大きく開かないと体勢を安定させられない。おしっこを飛び散らせて的を外してしまうことも多い。

・3番目に並んでいて中央の個室に入った女性
篠崎 沙矢(しのざき さや)
「もうっ、なんでこんなに冷房強いのっ……お腹痛いのにっ……」
31歳 150.8cm 44.5kg 73-54-77
すばる銀行渋谷支店窓口係
服装:青セーター、白ボックススカート、黒ショーツ、白ストッキング、白パンプス
ぴーぴー属性:冷え冷え(重度) 持続性下痢
07:08:55-07:10:32 1m37s 尿(透明色)252ml
 冷えるとトイレが近くなる。お腹も壊しやすく、一度お腹を冷やしてしまうと数日調子が悪くなる。

・4番目に並んでいて奥の個室で下痢便をしていた制服姿の少女
岡村美鈴(おかむら みすず)
「うぅ、またお腹が…………もうやだ……」
16歳 145.2cm 40.3kg 77-47-81 茶髪ツインテール
碧陵学院高等学校2年4組
服装:赤ネクタイ紺色ブレザー、チェックスカート、白ジュニアショーツ、紺ハイソックス、黒ローファー
ぴーぴー属性:液状便(-85) 超頻繁排泄 食あたり(重度) 爆音排泄 飛び散り排泄
07:09:45-07:12:48 3m03s 下痢便(黄土色) 382g
 学校で発生した集団食中毒事件で重症の下痢になり、後遺症で慢性的にお腹が緩くなっている。

・5番目に並んでいて中央の個室に入った女性
飯島 聡美(いいじま さとみ)
「…………どうしよう、さっき行ったばっかりなのに…………」
22歳 147.6cm 40.2kg 72-51-73 黒髪ロング
三洋建設不動産開発部営業
服装:紺スーツ、紺タイトスカート、白ショーツ、肌色ストッキング、黒パンプス
ぴーぴー属性:神経性下痢(軽度) 長時間排泄
07:10:32 - 07:12:15 1m43s 尿(淡黄色)353ml
 準大手ゼネコンの営業職に配属された新入社員。緊張するとトイレが近くなる体質で長時間おしっこが止まらなくなる。

・6番目に並んでいて中央の個室に入った女性
鳥羽 美奈子(とば みなこ)
「………………またやっちゃったわ……………早く着替えないと…………」
33歳 155.2cm 50.5kg 81-52-83 保険社員 タイトスカート 茶髪セミロング
あさがお生命保険外交員
服装:ピンクジャケット、ピンクタイトスカート、グレーショーツ、肌色ストッキング、茶色パンプス
ぴーぴー属性: おもらし体質(軽度) 消化不良(重度)
07:12:15 - 07:13:11 0m56s 尿(黄色) 221ml
 浮気性の夫と離婚し、保険外交員として小学3年と1年の姉妹を育てるシングルマザー。出産で括約筋が損傷したため我慢力が弱くなり頻繁におもらしする体質になってしまった。運良く漏らさなかった時はかなり短時間で排泄を済ませることができる。

・7番目に並んでいて奥の個室に入った女性
波多野 あずさ(はたの あずさ)
「…………うぅ、早く止まってっ…………」
18歳 152.4cm 41.4kg 66-52-74 茶色ポニーテール
お茶の湯女子大学文教育学部1年
服装:水色ジャケット、ダークグレージーンズ、ピンクショーツ、白ショートソックス、白スニーカー
ぴーぴー属性:腹圧強化 大量排泄
07:12:48 - 07:14:15 1m27s 尿(黄色) 462ml
 放尿の勢いが強く大量のおしっこを飛び散らせながら排泄する。お腹を壊した時の下痢便も大量になる。

・8番目に並んでいて奥の個室で水下痢を出し続けた女性
橘いずみ(たちばな いずみ)
「……うぅ…………止まらない…………早く出なきゃいけないのにっ……」
28歳 147.5cm 34.8kg 71-47-72 黒髪おかっぱ
三洋建設土木部設計課主任
ぴーぴー属性:水状便(-100) 頻繁排泄 長時間排泄 神経性下痢(重度) 我慢強い 消化不良(重度) 液垂れ
服装:白ブラウス、水色カーディガン、白ショーツ、紺色プリーツスカート、黒パンプス
07:13:11-07:28:52 15m41s 水状便(黄土色) 651g
 東都大学工学研究科建築学専攻修士課程卒の設計技術者。幼い外見に似合わず非常に優秀な技術者で、今年から主任を任され重要な業務を担うようになっている。
 極めてお腹が弱く特に緊張やストレスに弱いため、昇進の内示を受けた日から毎日猛烈な下痢に苦しんでいる。

・9番目に並んでいて手前の個室に入った女性
葛城 さやか(かつらぎ さやか)
「…………うぅ……またちょっと染みちゃってる…………」
25歳 155.4cm 48.1kg 74-56-80 黒髪セミロング
西調布総合病院内科看護師
ぴーぴー属性:ちびり体質 頻繁排泄
服装:グレーストライプブラウス、黒スカート、水色ショーツ、肌色ストッキング、黒パンプス
07:06:12-07:08:03 1m51s 尿(黄色) ちびり10+255ml
 忙しくてトイレに行けないことが多いが、括約筋が弱くおしっこをちびってしまうことが多い。お腹を壊すと下痢便を何度もちびってしまいパンツの汚れが凄まじいことになる。

・ノックしててはるかの後に入った中学生
池森 柚香(いけもり ゆずか)
「…………どうしよう…………またおもらししちゃった…………」
12歳 131.8cm 32.3kg 62-46-65 赤髪ツインテール
明翠学園中等部1年1組
ぴーぴー属性:超頻尿 おもらし体質(軽度) 冷え冷え(軽度)
服装:緑セーラー服、緑プリーツスカート、白コットンパンツ、白ハイソックス、黒ローファー
07:20:27 - 07:23:32 3m05s 尿(透明)ちびり42+172ml
 極めてトイレが近く、小学校では1年に1回以上授業中におしっこを漏らしてしまっていた。お腹を冷やすと下痢してしまうことが多い。



あとがき

 通称「はるかちゃんシリーズ」と呼んでいた「閉ざされた扉の先に」3部作完結編です。はるかちゃんはとある方より情報をいただいた現実のお腹の弱い女の子を元ネタとした実話ベースのキャラクター造形で、実話とは思えないほど魅力的なぴーぴー能力に感動して作品に登場してもらったものです。
 なのでこの3部作は物語性よりははるかちゃんのぴーぴー属性を魅力的に描くということを第一に考えて作りました。結果として、過敏性腸症候群による切迫した下痢のタイムリミットを後ろ反り我慢と限界予測のスキルを駆使して耐えるという内容で彼女の特徴を表現することを心がけました。過去編があまりに可哀想だったので、Part3では最後は結希ちゃんに助けてもらってぎりぎりで間に合うという内容になりました。
 はるかちゃんの性格や口調についてはかなり迷走してしまいました。当初は元ネタに即してギャル的な外見ながら内面は真面目な女の子でしたが、作者がギャル的な表現を書けなかったために結局ギャル要素はなくして明るく積極的な女の子という形に落ち着きました。最終的には非常に書きやすく、最後の結希ちゃんとの絡みもスムーズに描けましたので、良いキャラクターに仕上がったと考えています。
 ぴーぴーMateシリーズに組み込むにあたり、既存キャラと仲良くなってもらうためにまず結希ちゃんと出会ってもらうことにしました。同程度にお腹が弱く、さらにおもらしのトラウマも抱える二人は共通点も多く、性格は対照的ですが補い合って仲良くなれると感じて設定したのですが、予想通りいい関係に描くことができました。「つぼみたちの輝き」でも描いていた、お腹が弱い女の子同士の助け合いが描けて微笑ましい気分になれました。
 まだまだはるかちゃんのぴーぴー内容は顔見せ程度でしかないので、今後後ろ反り我慢状態でのおもらしイベントや、消化不良属性による完全水下痢状態などの魅力的な場面もたくさん描いていきたいと思います。
 はるかちゃんの立ち絵とPart.1でのみゆりちゃんの大量排泄を描いていただいたウニ体さんにも深く感謝いたします。

 トイレ行列編ということで恒例のサブキャラも一式設定してみました。つい下痢の子を増やしてしまったりモブ全員に設定を付けてしまったりしてちょっと時間がかかってしまいましたが、楽しんでいただければ幸いです。超絶ぴーぴー性能の橘いずみちゃんなどはぜひ再登場させたいです。
 ぴーぴーMateもちょっと話を広げすぎている感はありますが、話を進める前にもう一人のお気に入りキャラである水紗ちゃんの話も書こうと思います。はるかちゃんは小説を書いてからセルフ挿絵を描きましたが、水紗ちゃんは絵があるところから文章を書くという流れで試してみようと思います。お付き合いいただければ幸いです。

更新履歴
2024/10/19 23:00 v1.0 初版公開。
2024/10/20 17:44 v1.01 着色抜け2箇所を修正。

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