ろりすかZERO vol.2「修学旅行 〜新聞記事の向こうに〜」
その1 ひかりの下痢
早坂ひかり(はやさか ひかり)
14歳 桜ヶ丘中学校3年2組
体型 身長:142cm 体重:32kg 3サイズ:66-49-67
主人公。内気で恥ずかしがりやな中学生。やせ型の体型で、黒髪を短くおかっぱに切りそろえた姿が幼さを強調している。
香月幸華(こうづき さちか)
14歳 桜ヶ丘中学校3年2組
体型 身長:158cm 体重:50kg 3サイズ:82-51-81
ひかりのクラスメート。性格は活発にして饒舌。人当たりがよいクラスの人気者という存在。やや茶色がかったロングヘアである。
桜ヶ丘中学校の生徒たちを乗せたバスが、京都の街の中を走っていた。
「ひかりー、旅館着いたらトランプしようね」
「うん…」
早坂ひかりは、親友・香月幸華(さちか)の言葉を、上の空で聞いていた。
ひかりは、背も高い方ではなくやせ型で、折れそうな印象を与える少女である。性格も内気で、自己主張というものをほとんどしない。そんな娘だった。
(お腹痛い……気分も悪いし……バスで酔ったのかなぁ)
ひかりは数分前から鈍い腹痛を覚えていた。さらに、胃の方が圧迫される感じがして、軽い吐き気を催していたのである。
(うぅ……お腹が……)
徐々に胃の方の痛みは引いてきたが、下腹部の痛みがよりひどくなった。お腹の奥のほうから、シクシクと痛みが染み出してくるようだ。
「ひかり……ひかり、着いたよ!」
「え……あっ」
ずっとうつむいていたのでわからなかったが、バスはすでに旅館の前に着いていた。
「ほら、ひかり、早くっ!」
「う、うん……っ!?」
ひかりは慌てて立ち上がろうとして、お腹からせり上がる痛みに動きを止められた。
「ひかり? みんな行っちゃうよっ?」
「あ……待って……」
急かされたひかりはお腹をかばいながら立ち上がり、旅館の中へ入っていった。
「わ、狭っ!!」
「本当。これじゃ10人入らないんじゃない?」
先に部屋に入ったクラスメートが声をあげる。京都の旅館の部屋が狭いのは聞いていたが、予想よりそれはひどかったようだ。
ひかりは最後尾から部屋に入った。
「へぇ…」
確かに小さくはあったが、隅々まで手入れの行き届いた清潔さと、床の間に飾られた掛け軸の美しさに、ひかりは好感を覚えた。
みんなが思い思いに鞄を置き、荷物の整理を始める。ひかりも鞄を肩から下ろし、腰を下ろそうとした。
……その時。
キュルルルルルルッ!!
「ひぁっ!?」
ひかりの下腹部が、嫌な音で鳴った。同時に、キリキリと締め付けられるような痛みがひかりを襲う。
「う……うぅっ……」
激しい痛みに思わずうずくまる。だが、彼女を襲ったのは腹痛だけではなかった。
グルルルルルルルゥー……
「あ…え、ぅえっ!?」
下腹部が苦しくなり、肛門が中から押される感覚……便意を、ひかりは感じた。しかもその便意は、恐ろしい勢いで強くなっていく。
ギュルギュルギュルッ……
「やっ……だめっ……」
あっという間に高まった便意に、思わず肛門が開きそうになる。慌ててひかりは片手を添え、勝手に開こうとするお尻の穴を押さえつけた。
(うぅ……出ちゃいそう……おトイレ行かなきゃ……)
ひかりの肛門は急速に限界に近づいていた。気を抜けば漏れてしまうほど、強烈な便意である。彼女は急いで、トイレへ駆け込もうとした。
(で、でも部屋のおトイレじゃ……みんなに音とかにおいとか……)
みんなと壁一枚隔てたところで排泄する恥ずかしさ。ひかりはそれに勝てなかった。机の上に置いてあった旅館の館内図を見て、部屋以外のトイレを探す。
(あった……お風呂場の横……遠いけど……でも……これしか……)
思案するひかり。しかしそのひかりに、横から声がかけられた。
「ひかり〜! トランプ始めるよ〜!」
幸華の声だった。腹痛と便意に苦しむひかりをよそに、元気そうな声で誘いかけてくる。
「えっ……あ……あの……」
むげに断ることもできず、ひかりは悩んだ。しかし次の瞬間……
グルルルルルルルルルッ!!
「ぁっ!!」
強烈な圧力がひかりの肛門を襲った。左手を当てていなかったら漏らしていた……それほどの便意だった。
「ひかり……どうかしたの?」
さすがに心配になって幸華が気遣う声をかけてくる。もう、悩んでいる余裕はなかった。
「ご、ごめん幸華ちゃん、わたし、あの、お……おトイレっ!!」
そう言ってひかりは立ち上がり、部屋を駆け出そうとした。しかし、幸華はなおも声をかけてきた。
「あっ、ひかり、トイレならそこに……」
「ご、ごめんなさいっ!!」
説明するのも恥ずかしかったし、そんな時間的余裕もなかった。ひかりはごめんと一言だけ言い残し、部屋を飛び出したのである。
ギュルルルルルルルッ!!!
「くぅっ……!!」
部屋の扉を閉めた瞬間、無理に動いた反動か、一層強い便意がひかりに押し寄せてきた。両手でお尻を押さえ、肛門が開くのをなんとか防ぐ。
「……ふぅ……」
便意の波が引く。さすがに早足では歩けないようだ。お腹を刺激しないよう、右手で肛門を押さえ、左手でお腹をさすりながら一歩ずつ、トイレへの道を歩いていく。
「んくっ……はぁ、はぁ……」
耐え難い腹痛と便意だった。並の女の子なら、トイレにたどり着くまでに漏らしていたかもしれない。しかし、ひかりは我慢することには慣れているのである。
(このくらいで…おもらしなんて……できない……)
ひかりはもともとお腹を下しやすい体質だった。3日に1度は激しい下痢をして、トイレに駆け込むことになる。しかし当然、いつもトイレに行けるとは限らず、小学校の時は下校時に度々おもらしをしていた。それだけでなく、授業中にゆるゆるのうんちを迸らせてしまったことも何度かある。
しかし学校を上がってからは、我慢する力が強くなったのか、羞恥心が一層強くなったのか、人前で漏らすようなことはめったに――全く、ではないのだが――なくなっていた。
激しい下痢で便意を催しても、お腹に無理な圧力をかけずお尻を押さえていれば、かなり長い時間耐えることができる。ひかりは、自分の体質と付き合うことには大分慣れてきていた。
今日も、急激な便意とは言ってもいつもと同じ程度の下痢。トイレまでは何とかたどり着ける。そして無事便器に排泄できる……はずだった。
「え……う…うそ……」
しかし、トイレにたどり着いたひかりを待っていたのは、苦しげにお腹を押さえて並ぶ数人の女生徒たちだった。