ろりすかZERO vol.2「修学旅行 〜新聞記事の向こうに〜」

その6 幸華の大脱糞


香月幸華(こうづき さちか)
 14歳  桜ヶ丘中学校3年2組
体型 身長:158cm 体重:50kg 3サイズ:82-51-81
 ひかりのクラスメート。性格は活発にして饒舌。人当たりがよいクラスの人気者という存在。やや茶色がかったロングヘアである。


  ギィ…
「あっ……」
 幸華の目の前で、トイレの扉が開いた。
 中からよろよろと、仁美が歩み出てくる。
「幸華ちゃんごめんねー………えっ!?」

 仁美が目にしたのは、ショーツを真っ茶色に染め、ビニール袋の中に軟便を排泄し続ける美春の姿だった。思わず絶句してしまう。しかし苦しむ幸華の表情を思い出し、そちらに声をかける。
「幸華ちゃん……ほら、私もう終わったから……」
 そう言って、幸華の手を取る。

「触らないでっ!!」
「!?」
 幸華の叫びに驚き、仁美は手を引っ込める。
「ご…ごめん……急に動くと……出ちゃいそうだから……」
 そう言いながら幸華は、ゆっくりと身体を起こし、立ち上がろうとしていた。
「んっ……くぅぅっ!!」
 肛門をかかとから離すと同時に、内側からものすごい圧力がかかる。幸華は両手で力いっぱいお尻を押さえつけ、その圧力に耐えた。

(ここまで我慢したのに……おもらしなんてできない!)
 彼女を支えているのは、その意思一つだった。
 ゆっくりと足を踏み出す。
 一歩。
 また一歩。
 わずかずつ、彼女は排泄を許してくれる空間へと近づいていった。

「んっ……」
 右足がトイレの敷居をまたいだ。
 その時、彼女のお腹の内容物が一気に肛門に押し寄せた。
  グギュルルルルルルゥッ!!
「ひっ!」
 さっきまでより強い便意。
 立ったままの態勢では我慢できない。
 とっさにそう判断し、幸華は身をかがめた。ふたたびかかとを使って体重をかけ、肛門からの噴出を押さえる。
  ゴロゴロゴロォォッ!!
「うぅぅぅっ!!」
 強烈な圧力が彼女を襲う。
 しかも徐々に強くなる。押さえている手が、防波堤の肛門が震え、力が徐々に入らなくなっていく。
  ギュルルルルル!
「だめ……出ない……で……」
 必死の彼女の訴えも空しく、筋肉の痙攣が頂点に達し、意識が真っ白になっていく。肛門から力が抜け、何かが通り抜けていく感覚だけが頭に残った。

  ブゥゥゥゥーッ……ブシュッ!

「あっ……」
 漏らしてしまったと思ったが、違った。
 肛門から排出されたのは、お腹の中で発酵したガス――おならだった。
 これだけ下している幸華のおならである。当然その臭気はものすごかったが、美春の排泄物の臭いと混ざり合い、次の瞬間には目立たなくなっていた。

(今しかない……)
 内容物をちょっとだけ排出して楽になったお腹をさすり、幸華は一気に立ち上がった。
 数歩歩くだけで洋式の便器に座れるポジションにたどり着く。震える足で向きを変え、便器に背を向けた。
 後は座るだけ……その状況になった瞬間、またも波が襲ってきた。

  グギュルギュルギュル……
  ゴロロロロロッ! グルルルルルルルーッ!!

(もうだめ……お願い、間に合ってっ!!)
 急激に便が下ってくるのがわかる。もう押しとどめることは不可能だとわかっていた。便座へと腰を下ろしながらショーツを下ろす。薄い水色のショーツは、幸運にも綺麗なままだった。それが肛門から離れると同時に、丸く固まった便の先っぽが、その奥から顔を出した。
 そして……

  ブッ! ブリリリリッ! ビチビチビチィィ!
  ブビュビュビュビュッ! ブチョッ! ドボドボドボォッ!

 便座に座った時にはもう、壮絶な勢いでうんちが流れ出していた。
 固形を保っていたのは最初の5センチほどで、あとはゆるゆるの軟便だった。色も密度の濃いこげ茶色ではなく黄土色であった。

  ブビュゥッ! ビチュッ! ビチャァッ!
  ブビッ! ビビビッ! ブババババッ!!
「はぁはぁ……ふぅ………」
 肛門付近に押し寄せていたものを出し終え、幸華は便座の上で息を整えていた。落ち着いて顔を上げる。

「えっ……」
 ……顔を上げた先には、驚いた表情で見つめるクラスメート達の顔があった。
 ひかりも、ぽかんと口をあけて自分を見つめている。

「ご、ごめん!! すぐ閉めるからっ!!」
 そう言って幸華は腰を浮かせた。
 だが。

  ブチュルッ! ビジュゥーッ!!
  ブシュシュシュシューッ!!

「ひっ!?」
 便意を感じた瞬間にはもう噴き出していた。
 軟便の後に残っていたのは、さらに水分の多い液便だった。
 肛門を閉じようとしても、その小さな隙間からあふれ出してしまう。
「ひかりっ! お願い閉めてっ!! ……止まらないのっ!!」
「あ、う、うん!」
 ひかりが駆け寄り、ドアをバタンと閉める。
 幸華はようやく、トイレの中で一人きりになった。

「う……まだ……」
  ブチュブチュブチュッ!!
  ビチャッ!
「あっ!?」
 黄土色の液便は勢いを緩めず、便器の中の水に叩きつけられる。
 その跳ね返った水が、お尻にまで飛んできたのだ。
 水で薄められているとはいえ、悪臭を発する茶色い滴である。できるなら触れたくはない。
「うぅ……」
  ビチャチャチャッ! ブリリリリリリッ!
  シュバーッ! ブジュッ!!
 しかし、その勢いは止まってはくれない。
「一気にしちゃうしか、ないか……」
 彼女にできるのは、この苦しみの時間を少しでも短くすることだけだった。

「んっ……んんんんっ!!」
 初めて、彼女の意思が、排泄を促進する方に動いた。痛むお腹に力をかけるのは苦しかったが、早くこの排泄を終わらせるためには仕方なかった。
 そしてお尻から、滝のように大量の液便が排泄された。

  ブビュルーッ!! ビシューッ!!
  ブビビビビィッ! ブリブリブリッ!!
  ビュィーッ! ビビビビィッ!
  ブチュチュチュッ……ドボドボドボッ!!



(幸華ちゃん……大丈夫かなぁ……)
 扉を閉めた後、ひかりはトイレからちょっと離れ、様子を伺っていた。
 美春もすでに排泄を終え、後始末を始めている。仲の良い者は手伝おうかと声をかけたが、美春はかたくなに拒否した。……気持ちは言わずとも伝わった。
 他にはそれほど切迫した娘はおらず、部屋の中の緊張感が消えたような気がしていた。
 美春が汚物を片付け終わり、幸華の排泄音が小さくなると、部屋の中は静寂に包まれていった。


 ……その静寂を破ったのは、ひかりのお腹が鳴る音だった。


その5← →その7 戻る