ろりすかZERO vol.2「修学旅行 〜新聞記事の向こうに〜」

その7 ひかりのおもらし


早坂ひかり(はやさか ひかり)
 14歳  桜ヶ丘中学校3年2組
体型 身長:142cm 体重:32kg 3サイズ:66-49-67
 主人公。内気で恥ずかしがりやな中学生。やせ型の体型で、黒髪を短くおかっぱに切りそろえた姿が幼さを強調している。おなかをこわしやすい体質。


  ギュルルルルルルゥゥゥゥ……
(えっ……)
 ひかりは、突然の違和感に驚いた。
 お腹の奥から、鈍い痛みが襲ってくる。
 下腹部もいつのまにか重くなっていた。
 それは紛れもなく、激しい便意の前兆だった。

(まだ1時間も経ってないのに……)
(もしかしたら……さっき出し切らなかったのが……)

 ひかりはだんだんと不安になってきた。
(おトイレが空いてる今のうちにしちゃった方がいいかな……)

「あ……私、幸華の次入るね」
「じゃあ、あたしその次」
「えっ……」
 ひかりの予想を裏切るように、部屋の女の子達が次々にトイレの順番取りをし始めた。

「あ、あの、私も……」
 ひかりがおそるおそる声をあげる。
「えっ? ひかり、さっき行ってきたんでしょ?」
「まだ大丈夫だよね? あたし結構危なそうなんだ…」
「え……あ………」
 制止され、声を詰まらせるひかり。

  ガチャ…
「あ、あはは……お待たせ……」
 幸華がトイレから出てくる。
「驚いた〜。ドア開けたまま始めちゃうんだもん……」
「み、見なかったことにして、ね?」
 軽口を叩き合う幸華とクラスメート達。しかし、ひかりはそれどころではなかった。

  ギュルギュルギュルッ……
  ゴロロロロォッ! グルグル……
 お腹が不気味な鈍い音を立てる。早くも便が肛門を圧迫し始めた。
 今ちょっと力を入れれば、勢いよく水のようなうんちが噴き出してしまうだろう。
「あ、あのやっぱり、私……」
「どしたの、ひかり?」
 さっきのセリフを聞いていない幸華が何の気なく問う。
 ひかりは顔を真っ赤にして答えた。
「また急に……したくなっちゃったんです……だから」
 そう言って、さっき順番取りをしていた娘らのほうを向き、言葉を待つ。

「悪いけど……私だってずっと待ってたんだから。私らの後にしてよ」
「で、でも……みんなの後までなんて私…無理です……」
「そんなこと言ったって、順番ってもんがあるんだから。入れらんないよ。我慢できなかったら袋にでもしてよ」
 冷たい言葉。しかし彼女が特別意地悪なわけではない。みんな、自分がもらさないために必死なだけなのだ。
「……わ……わかりました……」
 こうなっては、ひかりは引き下がるしかなかった。安堵した顔でトイレに入っていく彼女を、うらやましげに見送るしかできなかった。

  グギュルルルルルッ!!
 トイレに入れる見込みがなくなるのを待っていたかのように、ひかりのお腹が急降下を始めた。
 「力を入れたら出る」から「力を抜いたら出てしまう」というレベルへ、一気に便意が高まってきた。
「うぅぅ………んくっ………」
 腹痛はさっきほどではないが、便意の激しさは同等、もしくはそれ以上だ。とても長い時間は我慢できない。
 部屋でトイレを待っている娘はあと5人。運良くみな5分ほどで終わっても、30分近くもこのままで耐え続ける自信はなかった。
(もし限界になったら……友村さんみたいに……)
 ちらっと美春のほうを見る。下痢おもらしの末に、部屋の中でみんなに見られながらの排泄という羞恥の極限に至ってしまった彼女は、部屋の隅で顔を隠してずっと涙を流していた。
(動けるうちに外に出て……トイレを探さなきゃ……)
 ひかりはそう思い、痛むおなかを押さえながら腰を上げた。
  ギュルギュルギュルッ…。
「うぅぅ………」
 立ち上がっただけでこの便意の高まり方…おなかが下る速さはさっきとはくらべものにならないようだ。このままではたとえ外に出ても…
  グルルゴロゴロゴロッ……
「あぅっ……」
 思わずお尻を抑え、おなかを抱えて中腰になってしまう。幸いにもすぐにおさまったが、限界はさらに近づいたようだった。
(どうしよう……このままじゃもれちゃう……)
(おトイレまで行っても…きっとみんな並んでるし……)
(そうしたら私……ぜったい我慢できない……)

「ひかりちゃん?」
 すぐ近くから声が響いた。美奈穂がいつの間にかやってきていたのだ。
「み、美奈穂ちゃん……んっ…どうしたの?」
 そろそろ普通にしゃべることもつらくなってきている。
「ジャージ、自分のはいたから返しに来たんだけど……大丈夫?」
「………うん……なんとか……」
 苦しいお腹とお尻をかばいながら、美奈穂に言葉を返す。平静を装ったつもりだったが…。

「ひかりちゃん、顔真っ青だよ。またピーピーになっちゃったの?」
「………うん。……もう、すごく我慢してて……」
 苦しげな表情だけは変えられなかった。そんな彼女に美奈穂はやさしく言葉をかけた。
「あのね、漏れそうな人はお風呂場でしていいって、先生が言ってたよ」
「えっ…?」
「お風呂場なら洗面器とかあって、汚れても大丈夫だから…って」
「で、でも……」
「トイレはまだいっぱい人が並んでるから…」
「そ……そうなの…………?」
 自分のお腹の具合と相談する。
  キュルゥ……グルグルグルルルルッ……
「あ……あぁぁ………」
 狙いすましたようにお腹が活発な音を立てる。その動きはすぐに肛門に伝わり、下痢便が後から後から押し寄せてくる。
「ひ、ひかりちゃん!」
「大丈夫……大丈夫だから……ぅぅ……」
  グルグルグルッ……ゴロロロロッ……
「うぅ……ん………………」
 うんちが逆流していく。しかし、思ったほどお腹は楽にならない…。

「ひかりちゃん、そのままじゃもれちゃうよ。お風呂場に行こう?」
「……うん……ごめんね……」
「いいよ。それより歩けるの?」
「……がんばってみる……」
 一歩踏み出す。その振動が直にお腹に伝わるようだ。だが、なんとか我慢しながら歩けそうだ。
「うん……大丈夫みたい」
「じゃ…いこ」
 美奈穂が手をひいて歩き始める。ひかりはお腹への衝撃をこらえながら、必死にお風呂場へ向かった。

 どれほどの時間、苦痛に耐えたのだろう。
 やっと、さっき入ったトイレが見えてきた。
 まだ並んでいる娘は多いが、それほど切迫した娘や漏らした娘は見当たらない。そんな娘はとっくにお風呂場へ駆け込んでいるはずだ。
 そして、ひかりは間違いなく後者だった。

  ギュルギュルギュロロロロッ!!
「っぁ!……ま、待ってっ!」
 急激に高まった便意に、ひかりはとっさに足を止めた。手をひいている美奈穂は、気付かずに進もうとしたが、心配そうに振り返った。
「大丈夫?」
「ご、ごめん……また……きちゃった……あっ!!」
 さらに高まる便意。お尻を両手で押さえ、開くのを必死に止めようとする。だが、便意はおさまらない。さらに強い力で、肛門が開こうとする。

  グギュル……グルルッ………グルルルルルルルッ!!
(お願い、止まってっ……)
 便意の高まりは、さっきトイレで経験した以上に達していた。もはや手の力だけでは押さえられない。
(そうだ……幸華ちゃんみたいにっ……)
 震えながらかかとを立て、その上に腰を落とす。これなら足で下から押し付ける格好になり、少しは持つはずだ。
  グギュルギュルッ!!
「だめ、でちゃうっ……」
 どうあっても大便を排出する気なのか、肛門がさらなる圧力で押し出された。
(もうだめ……限界っ……)
 もう力が入らない。肛門の力が抜ける寸前、ひかりは全力でお尻をかかとに押し付けた。

  ブシューッ!! ブジュッ!!

「ひゃうっ!?」
 異音。そして、一呼吸置いた後に漂う悪臭。
(え……で、出ちゃった? ううん、い、今のはきっと音だけ……)
 さっきの幸華も、同じような状態で豪快なおならを放出したが、中身は漏らしていなかった。自分もそれと同じだと信じたい。
「ひかりちゃん?」
 おもらししちゃったかと、美奈穂が顔を覗き込んでくる。
「だ、大丈夫……」

「んっ……」
 今の放出のせいか、お腹は多少楽になっている。
 ひかりはかかとからお尻を離し、慎重に身体を起こした。

  ギュルルルッ!!
「ひぅっ……」
 すぐに次の便意が襲ってきて、両手でお尻を強く押さえる。だがその瞬間、ひかりはおぞましい感覚をお尻に感じた。

  ブニュッ……ヌルッ……

「えっ…!?」
 なるべくなら、思い出したくない感覚だった。
 液状のうんちが、おしりの肌にまとわりつく感覚。

 うんちをおもらしした感覚だった。

 …幸華の場合は、肛門付近にまだ固形の便があったから、外からの圧力で押さえることができたのだった。
 しかし、ひかりは彼女以上にひどくお腹を下しており、わずかに形を保っていた流動物すら、さっきの排泄で出してしまったのだ。直腸に押し寄せていたのは、完全に液体の下痢便だった。いくら外から押さえても、肛門に少しでも隙間ができればあふれてしまうのだった。

「あ……あぁぁぁ……ぁっ……」
(わ……わたし……また……うそ……しちゃった……おもらし)
 言葉は震え、思考は乱れていく。そんな中、忘れられていたのを怒るように、激しい便意がひかりに押し寄せてきた。
  グルルルルルッ!!
「んぅっ!!」
 絶望の底で新たに襲ってきた腹痛に、ひかりはとても耐えることはできなかった……。

  ブチュブボボボッ!! 

「えっ……ひかりちゃんっ!?」
 再び放たれた湿った音に、美奈穂が再び振り返った。
「ひかりちゃん……?」
 顔を真っ赤にしてうつむいているひかり。そして、さっきとは比べ物にならない、腐った下痢便の臭い。美奈穂は、答えを知りながらも声をかける。

「……ごめんなさい………でちゃった……」

 ひかりはそれだけを言い、また顔を苦痛に歪ませた。身体が震えるとともに、お尻から新たな下痢便が生み出される。

  ブジュルルルッ!!
  ビジュブブブブブッ!!

「う……うぁぁ……」
 押さえても止まらない。もうひかりには、すべてを出し切ってしまうしかできることはなかった。
「……えっ……ひかりちゃん、たれてるっ!!」
 美奈穂が驚きの声を上げた。
「うく……え、えっ!?」
 ひかりも驚いて下を見る。
 スカートのふちから、下痢便の滴…いや、滴というレベルの量ではない。下痢便が茶色い水流となって床へと流れ落ちている。
 完全に液状になったうんちは、ショーツの布地をあっという間にすり抜けてしまうのだ……。それは一緒に押さえているスカートに多少は吸収されたが、さらにそれでも収まりきらずスカートの表面を滑り、縁からこぼれていく。

  ビチャッ……ピチャピチャッ……
  ビジャッ……ビチャチャチャッ……

「ひぁっ……」
 下痢便を床に垂れ流しながら立ちすくんでいる。
 あまりに恥ずかしい光景に、ひかりの頭は完全にパニックになっていた。

「ひかりちゃんっ! このままじゃ、床がよごれちゃうからっ!」
「うん……でも……でも……」

  ブジュッ……ブボビュッ……ビチッ!

「……止まらないの……」
  ブジュジュジュッ……ビシャシャッ……

 お尻からは下痢便が流れつづけている。上から押さえているにもかかわらず、止まることはなかった。
 ひかりはあまりの恥ずかしさに、涙を流しかけていた。すでに目のふちには涙が浮かび、今にも涙腺が決壊しようとしている。

「ひかりちゃんっ! 走ってっ!!」
「え……あっ、や、だめっ!!」
 急に、美奈穂はひかりの手を強く引っ張った。片手が離れ、押さえられていた下痢便がさらに噴出する。
  ブチュブチュブチュ……ブジュジュッ!!

 しかし、響く排泄音の中、美奈穂はひかりの手を強くひき、風呂場めがけて走った。のれんのかかっていない入口をくぐり、脱衣所に入る。


「美奈穂ちゃん……だめ……お腹が……」
 ひかりは、もつれる足を必死に前に出し、転びかけながら走っていた。
 もちろんこんな状態で我慢などできるはずがない。
 肛門からは、もはや全開に近い勢いで下痢便が迸っていた。

  ブビチュッ! ブボブボブボボッ!!
  ブチュッ! ビブバババッ!!

「ひかりちゃん! もうちょっと!!」
「うんっ……」

 涙で霞む目に、風呂場のタイルが近づいてくる。その奥には洗面器に用を足す哀れな少女達の姿があったが、ひかりの頭にあったのは、自分の排泄のことだけだった。
 あと少しで、すべてを排泄できる。苦しみから解放される。それだけを思って、ひかりは耐えていた。
 だが。

  ツルッ……
「っ!?」
 風呂場まであと数歩のところで、ひかりは足元の段差につまづいてしまった。
  グラッ……
 足がもつれ、前のめりに倒れる。
「い、いやっ……」
 必死に態勢を直すが、間に合わない。ひかりは肩から床に倒れこんだ。
  バサッ……
 ひかりの軽い身体が床に崩れる。……悲劇はそれだけではなかった。美奈穂に引かれていた手は転倒の勢いで離れ、それをちょうどお腹の真下にするように倒れこんでしまったのだ。

 そう、自らの手で、大量の下痢便に圧迫され激しく痛むお腹を強打することになってしまったのだ。
 その結果は……言うまでもないことだった。

「あぅぅうぅぅっ!!」
  ブビビビビビビーッ!!
  ビチュビチュビチュビチュビチュッ!! ブボボボッ!!
  ブバビュルルルルッ! ブリリリリリ!!
  ビチャビチャッ! ブブブッ!! ブビュビュビュッ!!!

 これまでにない激しい噴出だった。
 転倒の衝撃でスカートがめくれ上がり、茶色に染まったショーツが剥き出しになっている。その茶色の中心から、ショーツの布などないかのような勢いで、茶色い濁流が堰を切ったように噴き出した。

「あぁぁ……はぁ……はぁ……あぅぅぁぁぁ……」
 もはや押さえることもできなかった。
 身体が望んでいた排泄だというのに、出すたびに下腹部に激痛が走り、身体を動かすことすらできない。ショーツを脱ぐことも叶わなかった。

(このままで……全部……出ちゃう……)
 ひかりは、その現実に逆らえないことを悟った。
 トイレでもできず、代わりの風呂場でもできず、床に横たわったまま、しかも下着を履いたまま、すべてを排泄してしまう。
 あまりに恥ずかしい行為だった。
「……ごめんなさいっ……」
 助けてくれた美奈穂に、それに応えられなかったことを謝るのか。
 旅館の人や先生に、床を汚してしまうことを謝るのか。
 それとも、恥ずかしい思いをする、未来の自分自身に謝るのか。
 誰にかは……わからない。だが、何を謝るのかはもう決まっていた。

 これからする、大量のおもらしのことをである……


「…ごめん………ごめん…なさいっっ!!」

  ブリュブリュブリィィィッ!!
  ビチュビチュブチョォォッ! ブボボブビビビビッ!!
  ビジュゥゥゥッ! ジュプッ! ブピッ!!
  ジュビュルルルッ! ブジュッ! ブピィィィッ!!

 彼女のお尻からは、後から後からとどまることなく下痢便があふれ出た。
 時には勢いよく、時にはショーツの中ではじける程度に。
 その下痢便は彼女の周辺の床に、ドバドバと撒き散らされていった。
 横たわった彼女のスカートはもちろん、セーラー服の上衣にまで下痢便溜まりは広がっていった…。

  ブッ! ブブブブブブッ! ブボボォッ!!
  ブビュビュビュッ!! ビチビチビチビチビチッ!!
  ブチュルルルルルッ!! ブリッ! ビピュルッ!
  ブババババッ……ブビビィッ!! ブブッ!!
  ビチチチチッ……ブリッ……ブリリリリリリリィィーッ!!



 ………
 ………………
 すべてが終わった後。
 ひかりは自らが生み出した下痢便の海の中で、涙を流していた。

 淡い光をたたえるその涙は、つつましく可憐な彼女を象徴するように綺麗だった……。
 しかし、目じりから零れ落ちたその涙は……床に広がる茶色の汚物に飲み込まれていった……。

「……ごめんなさい……ごめ…ん…なさ…っ……」


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